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500エラーとは?原因と対策を徹底解説

2024年8月21日

ねぎお社長 (根岸雅之)

サーバー内部で何らかの問題が発生したことを示す500エラーは、404エラーと同じHTTPステータスコードの1つです。

404エラーは、ページが削除・移動した際に「ページが存在しないこと」を示すものですが、500エラーは、リクエストを処理する際、サーバーが予期しない状況に遭遇すると表示されます。

500エラーを解決せずに放置していると、ユーザーエクスペリエンスやSEOに悪影響をおよぼすので注意が必要です。

本記事では、500エラーの基本概念から一般的な原因、解決方法と予防策までを分かりやすく解説します。

500エラーの基本概念

まずは、500エラーとは何なのか、基本概念とおもな種類について詳しく説明します。基本をしっかりと理解したうえで、原因と解決策を探りましょう。

500エラーとは

500エラーとは、サーバー側の問題によってリクエストが処理できない場合に発生するエラーコードです。

「Internal Server Error」とも呼ばれており、具体的な原因はさまざまです。おもに、サーバーの設定ミス、プログラムのバグ、リソースの不足、外部サービスとの連携不良などが考えられます。

また、500エラーはすべて同じように表示されるわけではありません。一般的には、「500」と「Internal Server Error」という文字が表示されます。ただし、ブラウザやオペレーションシステムなどによって表示方法は変わります。

その他のおもな表示例は、下記のとおりです。

  • エディタ左側の「ページ」をクリックする
  • HTTP 500
  • 500 Error
  • HTTP 500 – Internal Server Error
  • The website cannot display the page – HTTP 500.

500エラーは、サーバーにエラー原因があるため、ユーザー側では対処のしようがありません。サイトを訪れたユーザーにとっては、500エラーは非常に困惑するものです。

500エラーの種類

500エラーには、さまざまな種類があります。エラーコードの種類によって詳細が異なるため、500エラーが発生した際はエラーコードの一桁が何番になっているかを確認しましょう。

それぞれのエラーが発生する原因とその意味を、下記の表にまとめました。

500Internal Server Error
(内部サーバーのエラー)
サーバーで予期しない状況が発生し、
リクエストを処理できなかった
501Not Implemented
(未実装)
サーバーがリクエストを処理するための
必要な機能をサポートしていない
502Bad Gateway
(不正なゲートウェイ)
ゲートウェイまたはプロキシとして動作しているサーバーが、
リクエストを実行しようとした際に無効な応答を受信した
503Service Unavailable
(サービスの利用停止)
一時的な過負荷やメンテナンスのため、
サーバーが応答できない
504Gateway Timeout
(ゲートウェイのタイムアウト)
ゲートウェイやプロキシとして機能するサーバーが、
アクセス先のサーバーから応答を得られなかった

500エラーの一般的な原因

500エラーの一般的な原因としては、おもに以下の3つが挙げられます。

  • サーバー設定の不具合
  • プログラムのエラー
  • データベースの問題

サーバー設定の不具合

設定ファイルの誤りや権限など、サーバー設定に何らかの問題が発生しているため、500エラーが起きることがあります。

サーバー設定の不具合でよくあるのは、Apache(アパッチ)やNginx(エンジンエックス)の設定ミスです。どちらもシステムの基盤を担う人気Webサーバーですが、設定を誤ると500エラーが発生します。

たとえば、.htaccessファイルの設定ミスです。パスの記述がフルパスになっていない状態だとプログラムを正しく呼び出すことができないので、エラーが起こります。

その他、ファイル内で全角文字や全角スペースを使用していたり、アップロード時のパーミッション設定が間違ったりしているとエラーになるので注意が必要です。

.htaccessを編集した後に500エラーが発生した場合は、記述が間違っていないかを確認するとよいでしょう。

プログラムのエラー

サーバーサイドのスクリプトや、プログラムのバグも500エラーを発生させる原因の1つです。

ユーザーがWebページにアクセスした際、サーバー側で処理を行ない、その結果をユーザーのブラウザに送信します。

サーバーサイドのスクリプトは、データベースとのやり取りやユーザー認証、動的なコンテンツ生成などの機能を実現するために使われますが、PHPやPythonなどのコードに不具合が生じるとエラーが起きてしまうのです。

サーバーサイドのスクリプトに問題がある場合は、エラーログの確認をおすすめします。エラーログを確認することで、サーバーやアプリケーションで発生している問題の特定が可能です。どの部分でどのようなエラーが発生しているのかを把握できます。

データベースの問題

「データベースにアクセスできない」「サーバーがダウンしている」「クエリがタイムアウトしている」など、データベースの問題で500エラーが発生しているケースもあります。

たとえば、一時的にアクセスが集中した場合、大量のリクエストを同時に処理することでサーバーが応答できなくなり、500エラーが発生するという流れです。

また、MySQLやPostgreSQLなど、データベース設定の不具合が負荷になっていることもあります。データベースの接続設定が誤っていたり、データベースサーバーがダウンしていたり、アクセス権限に問題があったりするなどです。

データベースの負荷や設定だけでなく、スキーマ(データベースの構造)の問題も影響しています。「適切なテーブルがない」「テーブル間の関係が適切でない」「不要なテーブルがある」「適切なインデックスが設定されていない」などが該当するので、注意しましょう。

500エラーの影響

発生した500エラーを放置すると、ユーザーエクスペリエンス(ユーザー体験)やSEOへ影響をおよぼす恐れがあります。

ユーザー体験への影響

前述したように、500エラーが発生するとユーザーはページを閲覧できなくなります。ユーザーにとってはどうしようもないため、そのページから離れるほかありません。その結果、ユーザーの離脱率が高まり、ユーザーエクスペリエンスが低下します。

また、「このサイトは信用できない」と信頼性の低下にもつながるので注意が必要です。ユーザーに満足度の高い経験を与えることができないサイトは、ブランドイメージや収益にも影響をおよぼすでしょう。

500エラーが頻発しているにもかかわらず、サーバー側の対応が遅れれば、ユーザーが正常にサービスを利用できないという問題が生じます。エラーの頻発はサイトの評判を下げることになるため、早期解決が重要です。

SEOへの影響

500エラーの頻発は、SEOにも悪影響をおよぼします。ユーザーの満足度が低いと離脱率が高まると同時に、検索エンジンが品質の低いサイトだと判断するためです。

品質が低く、ユーザーに十分な経験を与えることのできないサイトは、検索エンジンの評価が下がり、ランキングも落ちてしまいます。500エラーを長時間放置するほど、検索順位が低下する可能性が高まるでしょう。

さらに、検索エンジンのクローラーが、サイトを適切にインデックスできなくなります。インデックスの問題を放置すると、サイトの全体的なSEO効果が低下してしまうので注意しましょう。

正確なインデックスと定期的なクローリング作業はSEO戦略の基盤となるため、500エラーはしっかりと解決する必要があります。

500エラーの解決方法

では、どうすれば500エラーが解決できるのでしょうか。おもな解決方法は、以下の3つがあります。

  • サーバー設定の見直し
  • コードのデバッグ
  • データベースのチューニング

サーバー設定の見直し

まずは、設定ファイルや権限設定などのサーバー設定を見直しましょう。設定が間違っている場合は、適切な内容に修正します。

ログファイルを確認する際には、.htaccessファイルに関連するエラーメッセージに注意しましょう。たとえば、

Expected </IfModule> before end of configuration
Invalid command‘*****’

などのエラーメッセージが見つかるケースです。

これらのエラーメッセージは、ファイル内の記述ミスや閉じタグの不足を示唆しているため、.htaccessファイルを正しく設定する必要があります。

サーバー設定を修正したあとは、サーバーを再起動(Restart)、もしくはコンフィグを再ロード(Reload)して設定を反映させてください。設定ファイルの中で適切に設定されているか、必要なモジュールがロードされているかを確認しましょう。

コードのデバッグ

コードが意図通りに動作するように、サーバーサイドのスクリプトに含まれるエラーや問題を特定し修正します。

具体的な方法はプログラミング言語やフレームワークによって異なりますが、最初にエラーログを確認することが重要です。エラーログを確認することで、問題を素早く特定できます。

たとえば、PHPのデバッグはエラーログの確認以外にvar_dump関数なども使えます。多次元になっている配列の変数でも、var_dumpを利用すれば変数の中身が把握できます。

Pythonのデバッグ方法も簡単です。pdbをインポートし、set_trace()を呼ぶだけでデバッグが実行できます。

また、デバッガーやログファイル、コンソール出力などのデバッグツールを使用するのもポイントです。デバッグツールを利用することで、コードの構成やプログラムの状態を確認しながら作業できます。

なお、修正したコードは再度テストを行ない、問題が解決されたことを確認しましょう。問題が解決された場合は、コードのリリースを検討します。

データベースのチューニング

Webサーバーのログをチェックし、エラーの発生原因を特定します。サーバーのリソース不足で500エラーが発生している可能性もあります。サーバーのリソース状況をチェックし、不足している場合はCPUやメモリ制限を増やすとよいでしょう。

サーバーソフトウェアが古いバージョンのままになっている場合は、最新版にアップデートします。

その他、クエリの最適化やデータベース設定の見直しも重要です。これらの見直しと併せて、Webサーバーの強化も検討するとよいでしょう。プランの変更によってWebサーバーが強化され、アクセス数の増加も期待できます。

また、データベースのチューニングを行なう際、役立つコマンドをいくつか把握しておくと便利です。たとえば、MySQLの場合、

SET slow_query_log = ON ;

にすることでslow_query_log_fileから実行時間の遅いクエリ(long_query_time)が確認できます。

SHOW FULL PROCESSLIST;

というコマンドを使用すれば、現在実行中のクエリに関するデータ量やステータスなどがチェックできるのでおすすめです。

データベース管理システム(DBMS)ごとにコマンドが異なるため、各システムのドキュメントを参照して詳細を確認しておきましょう。

500エラーの予防策

500エラーの予防策としては、以下の3つがあります。

  • サーバー監視の重要性
  • コードの品質管理
  • データベースの定期メンテナンス

サーバー監視の重要性

500エラーを未然に防ぐには、定期的なサーバーモニタリングの実施が不可欠です。サーバーモニタリングは、システムの健全性とパフォーマンスの維持という役割を担っています。

CPU使用率、メモリ使用量、ネットワークトラフィックなどの異常な動きを早期に検知できるため、システム障害やパフォーマンス低下が発生する前に対応可能です。

エラーログやアクセスログの定期確認はもちろん、サーバーのリソース使用状況も監視できるので、どのアプリケーションやサービスが過剰にリソースを消費しているかを把握できます。これにより、リソースの最適な割り当てが可能になるというわけです。

なお、定期的なサーバーモニタリングを実施する際は、サーバー運用監視ツールを導入するとよいでしょう。たとえばAWSであれば、CloudWatchなどのサーバー運用監視ツールを利用することで、エラーの早期発見につながり、素早く対処できるようになります。

コードの品質管理

500エラーは、リクエストで使用されているHTTPプロトコルのバージョンをサーバーがサポートしていない状態ですので、未然に防ぐにはコードの品質管理が重要です。

HTTPバージョンの互換性チェックや、定期的なソフトウェアのアップデートはもちろん、コードレビューや自動テストの導入も大切なポイントとなります。

開発チーム内で定期的にコードレビューを実施すれば、プロトコル関連の問題を早期に発見できるでしょう。公開・更新予定のサイトであれば、事前のテストでしっかりと検証しておく必要があります。

自動テストの導入としては、継続的インテグレーション(CI)ツールがおすすめです。早期の問題検出と修正ができ、コードの品質も維持しやすくなります。

データベースの定期メンテナンス

500エラーを防ぐには、システム全体のパフォーマンスと安定性を維持するために欠かせない、データベースの定期メンテナンスも重要です。

データベース全体の定期的なバックアップを実施し、万が一のためにリカバリに備えます。データが損失したとしても、バックアップを実施しておけばリストアが可能です。リカバリ・リストアの手順はソフトウェアによって異なるため、それぞれの手順書で確認しましょう。

フルバックアップ、差分バックアップ、増分バックアップを計画的に実施し、バックアップデータをオフサイトやクラウドストレージなどの安全な場所に保存すれば、障害対策になります。

ハードウェア障害やソフトウェア障害が起きた場合は、早急にサービスを停止またはリダイレクトし、監視ツールやログを利用して原因を特定することが大切です。そして、最新のフルバックアップを復元し、復旧したデータの生合成をチェックしましょう。

また、インデックスの再構築・再編成を行ない、クエリパフォーマンスを最適化することもデータベースの定期メンテナンスで欠かせない要素です。

まとめ

500エラーはサーバー内部の問題により、リクエストが処理できない場合に発生します。おもな原因は、サーバー設定の不具合、プログラムのエラー、データベースの問題などです。解決策には、サーバー設定の見直しやコードのデバッグ、データベースのチューニングがあります。
500エラーは、サーバー監視とコードの品質管理を徹底し、データベースの定期メンテナンスを行なうことで未然に防げる問題です。しっかりと対策をすることで、ユーザーエクスペリエンスとSEOへの悪影響を防ぎ、ユーザーにとって満足度の高いサイトを維持できます。

執筆者 / 監修者

サクラサクマーケティング
株式会社

取締役 社長

ねぎお社長 (根岸雅之)

ねぎお社長 (根岸雅之)イラスト

サクラサクマーケティング株式会社 取締役社長 COO

1980年生まれ 大学卒業後、一貫して、広告・マーケティング業界に身を置く。2006年にSEM コンサルタントとして、インターネット総合代理店、株式会社オプトに入社。リスティング、ディスプレイ広告の運用から、SEOの施策提案など主にキーワードマーケティング領域に特化した業務に従事。同年10月に株式会社ブルトア(現サクラサクマーケティング株式会社)に転職。入社後は、営業をはじめ、SEOコンサルティング、新規事業開発、自社マーケ、人事、財務と幅広い領域を経験し、営業部長、執行役員、取締役と経て、2015 年に社名変更とともに取締役社長に就任。

SEOコンサルタントとして大規模サイトから新規サイトまで、売上向上に繋がるコンサルティングを武器に200サイト以上の実績。2023年には『なぜほとんどコンテンツマーケティングは失敗に終わるのか?』を執筆。ねぎお社長のSEOチャンネルをはじめ、YouTube、メルマガ、SNを通じて積極的に情報発信。

◇ 出版書籍

◇ 情報発信

◇ 掲載メディア

◇ 共催セミナー歴

  • オウンドメディアの成功事例とSEOを支える運用型広告の活用
  • 今日から始められるWebマーケティング~コンテンツマーケティングとGoogle マイビジネス~
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