ビジネスフレームワークとは、情報整理やアイデア出し、事業の課題解決や目標設計などを図式化するためのツールや考え方のことを指します。
フレームワークにはさまざまな種類が存在しますが、種類の多さゆえにフレームワークの種類やメリットが知られていなかったり、うまく活用されていなかったりする場面も珍しくありません。
この記事では、28のマーケティング戦略や分析に役立つビジネスフレームワークを紹介し、それぞれの特徴やメリットを具体的に紹介します。自社に有用なフレームワークを活用するためのきっかけとしていただけたら幸いです。
フレームワークを活用する意味とは?
フレームワークを直訳すると「枠組み」「構造」となりますが、ビジネスやマーケティングの場面においては情報や状況を当てはめて図式化するためのツールのことを指します。
フレームワークは定番のものから最新のビジネス情勢を反映したものまで多種多様ですが、一般的にフレームワークを活用すると以下のようなメリットがあります。
・思考や情報が整理され、明確になる
・成功パターンや考え方がフォーマット化されているので、判断軸ができる
・会議やプレゼンテーションの際に説得力が増す
・結論を導き出すまでのスピードが速くなる
こうしたメリットを活かしてフレームワークを活用するためには、どのようなフレームワークが存在するのかを知り、目的や用途に合ったフレームワークを活用することが重要です。
戦略立案のための市場分析や自社理解に活用するフレームワーク
まずはマーケティングにおいて戦略立案のための市場分析や、自社理解を深めるために活用できるフレームワークについて解説します。
3C分析
「3C」とは、「Customer(市場・顧客)」、「Company(自社)」、「Competitor(競合他社)」を軸にした考え方です。
3C分析により自社を取り巻く環境を徹底的に調査することで、業界内での立ち位置を客観的に認識し、強みと弱みをしっかりと把握することができます。
また、3C分析を活かせば戦略的な事業展開を実施しやすくなります。BtoB企業の場合には、顧客の3C分析を行います。
4C分析
4C分析とは顧客にとっての製品・サービスのメリットを整理するフレームワークです。具体的には「Customer Value(顧客価値)」、「Cost(顧客にとっての経費)」、「Comvenience(利便性)」、「Communication(顧客とのコミュニケーション)」を表します。
4C分析は、自社や他社の製品・サービスの強みと弱みを顧客目線で分析する際に役立ちます。
SWOT分析
SWOT分析とは自社の強みと弱みを内的・外的の両方の環境から正しく分析するためのフレームワークです。「Strength(強み)」、「Weakness(弱み)」、「Opportunity(機会)」、「Threat(脅威)」の頭文字を分析方法になります。
手法としては、3C分析などを用いて強みや弱み・外的な要因を集めた後に、いかに強みを活かすか、脅威をいかに乗り切るかを、分析した強みと弱みを意識しながら立案し、実行していきます。
PPM分析
PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネージメント)分析とは市場の成長率と相対的なマーケットシェアからマトリックスを作成し、製品・サービスごとの商品展開を企画・立案するために用いるフレームワークです。
「花形(市場成長率もマーケットシェアも高い)」、「金のなる木(市場成長率は低いがマーケットシェアは高い)」、「問題児(市場成長率は高いがマーケットシェアは低い)」、「負け犬(市場成長率もマーケットシェアも低い)」という4つのタイプに分類されます。
分析結果に基づいて、資金や人材をどの商品や部署につぎ込むべきかの判断に活用できます。また市場の状況は時期によって変動するため、継続的に実施する必要があります。
5フォース分析
5フォース分析とは、商品やサービスの競合調査となる外的環境を把握するために用いられるフレームワークです。5フォース(要素)を具体的に紹介すると、「既存競争者同士の敵対関係(同業他社)」、「新規参入の脅威」、「代替品の脅威」、「売り手の交渉力(原材料などの仕入れ元の力)」、「買い手の競争力(顧客の力)」の5つです。
これらの要素が強ければ強いほど収益性は低い、ということになります。5F分析の結果は、SWOT分析の外的な強み・弱みなどにも用いることができます。
バリューチェーン
バリューチェーンとは、商品が仕入れから顧客の元に届くまでの一連の流れの中で、どの部分で価値が生まれるかを分析するために用いられるフレームワークです。
バリューチェーンを用いると、自社の商品やサービスの強み、コストがどの工程で生まれているのかが明確になるため、自社の強みや弱みが鮮明になります。
PEST分析
PEST分析とは、「Politics(政治的要因)」、「Economy(経済的要因)」、「Society(社会的要因)」、「Technology(技術的要因)」に4つの要因からなる分析です。自社を取り巻く外的な要因のリスクをマクロ視点で分析するためのフレームワークになります。
例えば、税制の変更や政治的緊張・革新的技術の開発による市場の変化などといった、マクロ視点での市場環境の変化は、自社の取り組みだけでは打開することはできません。あらかじめ、フレームワークを用いてリスクを把握し、危険管理を行っていきます。
VRIO
VRIOは、「Value(価値)」、「Rarity(希少性)」、「Inmitability(模倣困難性)」、「Organization(組織)」から成り立っています。VRIO分析では、商品・サービスが強みになるのか、弱みなのかを判断するために用いられるフレームワークです。
外的な環境を理解したうえで、自社製品・サービスが戦略的に販売できるか否かを判断することができます。
STP分析
STP(セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)分析とは、市場のニーズを把握し、自社の立ち位置を決定するために用いられるフレームワークです。
まず、市場を細分化してからターゲティングにより理想の顧客層をイメージし、自社商品・サービスの立ち位置を立案していきます。
ビジネスモデルキャンパス
ビジネスモデルキャンパスとは、ビジネスモデルに関する重要な項目を1枚の用紙にまとめることで現状分析をするフレームワークです。1枚の用紙にまとめることで全体像を俯瞰することができ、今後の展開を検討する際に活用できます。
思考整理・課題抽出に用いたいロジカルシンキング系フレームワーク
続いて志向の整理や課題抽出の際に使用したいフレームワークを紹介します。
ロジックツリー
ロジックツリーとは、原因解明や問題解決立案のために、要素ごとに問題を分析・解明していく手法です。漏れや重複に気を付けながら、問題を具体的に細分化していくことで、困難に思える問題を解決に導くことができます。
5W1H
企画を作成したりプレゼンテーションしたりする際には、「誰が・いつ・どこで・何を・なぜ・どのように」を考えて設計すると、論点が明確になり説得力が増します。5W1Hを考える順序としては「なぜ」から考えると効果的です。
MECE
MECEとは、すべてのロジカルシンキングの基本ともなるフレームワークで、情報を整理する際に「個々の情報に被りがなく、全体として漏れがない」ことと定義されています。
ロジックツリーやピラミッドストラクチャーなどのフレームワークを用いる際に、階層のズレに注意すること、切り口を混在させないことなどを意識することがMECEを実行するコツになります。
ピラミッドストラクチャー
ピラミッドストラクチャーは、メインとなるメッセージを的確に伝えるためのフレームワークです。
ロジックツリーが問題解決のための情報細分化に用いられるフレームワークなのに対して、ピラミッドストラクチャーは報告書やプレゼンテーションのために情報を整理する目的で主に用いられています。
As is/To be
As is/To beは、現状と理想の姿を書き出し、両者を比較することで現状の問題を把握するというフレームワークです。
データ分析を行う際に活用するフレームワーク
フレームワークはデータ分析の際にも活用されています。
クラスター分析
クラスター(群れ・集団)分析とは、ある集団から似た要素のものを抽出し、グループ分けをして分類を実行していく手法です。AI技術の発達などにより、ビッグデータ分析の現場などで用いられています。
RFM分析
RFM分析とは3つの指標「Recency(直近いつ購入したか)」、「Frequency(頻度)」、「Monetary(購入金額)」から顧客をグループ分けし、グループ別のマーケティング施策を検討するためのフレームワークです。
コホート分析
コホート分析とは、Webマーケティングで用いられるフレームワークで、ユーザーを特定条件でグループ化し、それぞれのグループがどのような行動をとったのか数値化したものです。
デシル分析
デシル分析とは、顧客の集団を特定の条件で10等分することで、顧客層別の行動特性を分析するフレームワークです。例えば、1回あたりの購入金額が最も高い層と最も低い層では、購入頻度や来店回数などにどのような違いがみられるかという点などの分析が可能です。
コーホート分析
コーホート分析とは、対象者を生まれた時期に分けて分析し、行動特性や生活様式などを分析するためのフレームワークです。例えば、「団塊の世代」などが代表的なコーホートです。
アトリビューション分析
アトリビューション分析とは、Web広告の効果を分析するためのフレームワークです。従来のインターネット広告の効果測定では、広告のクリックが直接的に購入に結び付いた場合にしか効果が測定されませんでしたが、アトリビューション測定を行うと、途中に他のWebサイトを回遊していても「効果」として測定できるようになります。
ヒューリスティック分析
ヒューリスティック分析とは、Webサイトやアプリをユーザーにとっての使いやすさの観点から評価する分析方法のことです。専門の分析者に依頼するケースが多いですが、分析の偏りを防ぐためにチームを組んだり、Web解析ツールを併用したりすることもあります。
目標達成・計画を実行する際に活用するフレームワーク
最後に、目標達成や計画を実行する際に活用するフレームワークについて紹介します。
PDCA
PDCAとは、「Plan(計画)→Do(実行)→Check(チェック)→Action(改善)」一連の流れを通じて、業務改善を図っていくフレームワークです。ミスを繰り返さないため、より高い成果を得られるためなど、あらゆる場面で活用されています。
ガントチャート
ガントチャートとは、スタッフごとやタスクごとに工程や納期などを棒グラフで表したものを指します。情報の可視化・共有化の際に非常に便利です。
KPT
KPTとは、プロジェクトを振り返る際に用いられています。「Keep(良かったこと)」、「Problem(課題・悪かったこと)」を洗い出し、課題に対して「Try(次に試す)」を図っていきます。
KPTをうまく活用すると、問題を早期に発見でき、より良い成果を得られるようになります。PDCAのチェックの部分でKPTを活用していくと、個人だけではなくチームとして業務改善を図ることができます。
マンダラ
マンダラチャートとは、アイデアを整理したり発想を生み出したりする際に用いるフレームワークです。
使い方としては、3×3あるいは9×9の枠を作成し、中心のマスにテーマを書きます。その後、周囲のマスに思い付いたアイデアを自由に書いていきます。
SMART
SMARTは、良い目標設定をするための指針となるフレームワークです。具体的な要件は下記の通りです。
Specific・・・具体的であること
Measurable・・・測定可能であること
Attainable・・・達成可能であること
Result-based・・・成果を重視していること
Time-oriented・・・期限が明確であること
SMARTに基づいて目標を立て、PDCAのプランを計画すると効果的です。
まとめ
マーケティングや分析・ロジカルシンキングの場面においてビジネスフレームワークをうまく活用すると、さまざまなメリットが生まれます。
この記事で紹介しているフレームワークに関しても、アイデアの整理やマーケティングにおける自社分析・競合分析、業務改善などにつながるものなので、導入できそうなものはぜひ積極的に活用してください。
また、フレームワークを活用してみて思うような成果が得られない時には、KPTなどのフレームワークを用いて、改善点を洗い出す、といったことも可能です。
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