コンテンツマーケティングは、長期的な効果を期待できる施策として、幅広い業界で実行されつつあるマーケティング手法の一つです。
医療系求人サイトのWeb担当者の方のなかにも、コンテンツマーケティングの導入を検討されている方は多くいらっしゃるでしょう。
しかしコンテンツマーケティングは、十分な知識、ノウハウ、リソースを確保せずに行っても、思うような成果は出しづらい施策です。
この記事では、サクラサクマーケティング株式会社が実際にコンテンツマーケティングに携わった医療系求人サイトの成功事例を、SEO業界18年の“ねぎお社長”が解説します。
依頼を受けた背景から具体的な施策内容、成功要因に至るまで詳しく紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
なお、この記事の内容は、以下の動画でも解説しています。
医療系求人ポータルサイト成功事例～1年で会員登録数2倍を達成、コロナ禍でも好調を維持！
本案件のクライアントは、誰もが一度は社名を聞いたことがある大企業の子会社で、医療求人業界でTOP10に入る 準大手企業です。
知名度の高い企業様が運営していることもあり、施策対象の医療系求人サイトは、すでにビジネスとして成り立つほどの成果は出ている状況でした。
そのため、ここからさらに大きく成果を伸ばすのは容易ではありませんでしたが、綿密な分析と施策の実行によって、次のような成果を出すことに成功しました。
- 施策開始から1年で会員登録数2倍を達成
- コロナ禍の厳しい状況下にもかかわらず好調な成果を維持
次の章では、長引くコロナの影響を受けている業界でありながら「なぜ成功事例として紹介できるほど大きな成果を得たか？」その経緯を詳しく解説します。
【医療系求人ポータルサイト】相談・契約に至った経緯・背景
クライアントである医療系求人企業のWeb担当者様は、Webマーケティングにおけるリテラシーが高く、求人サイトの運営に熱心に取り組まれていました。SEO対策もすでに実行しており、一定の成果も得ている状態です。
しかし、競合となるのは業界の最大手企業。求人広告だけでなく、テレビCMやWeb広告などにも莫大な予算を投じることができる相手には、到底叶わないというのが実情でした。
それでも、クライアント様からは「このような状況でも、より細かなSEOの分析をして勝ち筋を見出したい」「専門性の高い技術を有する企業からサポートを受けたい」とのご要望があり、弊社でサポートさせていただくことになりました。
【医療系求人ポータルサイト】実際に行なった施策内容
強い競合相手に対して行なった施策は、珍しいものではありません。基本に忠実に、そして何よりもSEO対策の基本である「ユーザーファースト」を意識しながら、クライアント様にも取り組んでいただきました。
CVにつながるキーワードに絞って選定し、上位表示対策を行なった
まず行なったのは、SEO対策の基本中の基本ともいえるキーワード選定です。
キーワード選定において弊社が重視しているのは、サイトを訪れるユーザーのニーズを最優先に考えることです。仮に、検索回数の多いキーワードや、競合が上位を獲得しているキーワードを対策しても、クライアントサイトのユーザーに需要がなければ意味がありません。
あくまでクライアントサイトのユーザーにマッチし、CV（コンバージョン＝成果）につながるキーワードであるかどうかを重視し、厳選したキーワードに対して上位表示のための対策を行ないました。
弊社が提唱するキーワード選定方法については、以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
関連記事：
【保存版】正しいSEOのキーワード選定方法とは？そのSEOツールの使い方、キーワードの選び方大丈夫？間違いだらけのSEO対策をねぎお社長が喝！
コンテンツ制作の指南を行なった
もう一つの施策内容は、弊社が提供するノウハウをもとにしたコンテンツ制作の指南です。
働き手の少ないニッチな職種に対して、Web上で入手できる一般的な情報をまとめたようなコンテンツでは、ターゲットに刺さりません。
そのため、転職経験のある医療従事者に直接インタビューを行ない、生きた情報を提供するコンテンツを制作するように提案を行ないました。具体的なやり方についても惜しみなくクライアント様に共有し、ともにコンテンツを積み上げていきました。
コンテンツ制作の具体的な流れについては、以下の記事内で詳しく解説しています。
関連記事：
SEO記事制作の外注費用と会社選びのポイントを解説！作成の流れも紹介！
【医療系求人ポータルサイト】成功のおもな要因
前述したとおり、施策自体は特殊なものではなく、あくまで基本的なものです。にも関わらず大きな成果につなげることができたのは、もちろん理由があります。
それは、施策実行の前に行なった「徹底した分析」です。
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SEO会社に外注する際の正しいパートナーの選び方とは？外注のメリット・デメリット・費用も解説
SEO会社の選び方のポイント8選！依頼NGなSEOコンサルの特徴も紹介
徹底的な3C分析を実施し、ユーザーニーズにぴったり合うコンテンツを制作
徹底した分析を行なうにあたって、マーケティングの基本的なフレームワークである「3C分析」を活用しました。「Customer：市場・顧客」「Company：自社」「Competitor：競合」という立場の異なる3つの視点から調査・分析をすることで、ユーザーニーズがあり、かつ競合よりも自社が勝る部分を見つけます。
ありふれた手法のように思われることもありますが、本案件においても「3C分析」を徹底的に行なうことが重要だと考えたのです。
もともと、クライアント様が思い描いていたキーワードは「求人×エリア」「求人×専門分野」「求人×職種名」など、市場での需要がある一般的なものでした。しかし、このような需要が高いミドルキーワードの多くは、すでに最大手の医療系求人サイトが上位を独占しているため、同様のキーワードを狙うことは得策ではありません。
そこで今回はさらにユーザーのインサイト（消費行動の裏に隠れた心理）を徹底的に分析。検索数は多くないものの、検索意図がより明確でコンバージョンにつながりやすいロングテールキーワードのなかから「競合に勝てる可能性のあるキーワード」や「よりユーザーのニーズにマッチするキーワード」を探すことにしたのです。
具体的な方法として、ユーザーのニーズや条件ごとにクライアントサイトと競合サイトを比較・調査しました。これは、キーワードや検索意図ごとに、勝機があるか（本案件の場合は、求人の検索ヒット件数が多いか）どうかを一つひとつ見極める作業です。
こうして抽出したキーワードに注力し、クライアントサイトのユーザーにマッチするコンテンツ制作を行なったことが成功要因の一つです。
客観的なデータ分析によって、独自の「勝ち筋」を見極める
二つ目の成功要因は、キーワードを選定する過程で、客観的なデータを徹底的に分析したことです。
効果的なキーワードは、クライアントサイトや競合の状況によって異なります。主観やWeb上で見られる曖昧な根拠をもとにしてキーワードを選定していては、いつまでも期待した成果を得られません。
もちろん、検索件数の多いビッグキーワードで上位表示が実現すれば、SEO対策の施策として非常に価値があります。しかし、いきなりそれは叶えることは非常に困難です。そのため、スモールキーワード、ミドルキーワードと順にステップ踏む対策が重要だと考えました。
客観的なデータをもとに慎重にキーワードを選定し、徹底して優先順位をつけることで、クライアントサイト独自の勝ち筋を見つけました。そして選定したキーワードに、職種や地域名など求人サイトを検索されやすい一般的なキーワードをかけ合わせ、膨大な数のコンテンツを改修したのです。
キーワードの検索ボリュームにとらわれることなく、クライアントサイトの現状に沿った最適な施策を実行できたことが大きな成功要因だった例といえます。
【医療系求人ポータルサイト】施策にあたって最も大変だったこと
結果的に期待以上の成果を得たとはいえ、成果に至るまでの道のりは決して楽なものではありませんでした。大変だったことは大きく2つあります。
膨大な数の求人ページを分析・整理
まずは分析対象となるページ数が多く、膨大な作業量が必要だったことが挙げられます。
単にコンテンツ数を増やせば良いわけではないため、万単位におよぶ既存のページを一つひとつ詳細に分析し、整理する工程が必要でした。
競合サイトも同様にデータを分析し、クライアントサイトが強みにできるページを切り分け、優先的にGoogleのデータベースに記憶・分類させる（インデックスさせる）ページを判断していくのです。
これには膨大な時間と労力がかかりました。
コロナ禍における求人需要の変化への対応
長期化するコロナ禍で医療業界の採用状況が目まぐるしく変化し、状況に合わせた対応が求められたことも労力を要したポイントです。
感染拡大の初期段階では、感染者と非感染者の接触機会を減らすために病床数を絞ったり、コロナ専用の病棟を隔離したりという対策がとられていたため、医療従事者の求人数は減少傾向にありました。
しかしワクチン接種が始まると、新たなシステムに対応する職種が誕生するなど、医療従事者の需要は大きく拡大したのです。
予測が困難な感染症の流行によって変化する状況に対応するためには、医療系求人サイトも臨機応変に改良する必要がありました。
医療系求人サイト×オウンドメディアの成功事例3選
ここまで弊社が実際に行った医療系求人サイトにおける施策の成功事例をお伝えしましたが、ここからは、弊社以外が行った医療系求人サイト×オウンドメディアの成功事例を3つご紹介します。
※本文内の数字（求人件数など）は、本記事作成時点（2022年7月）のものです。
なるほど！ジョブメドレー ｜ 医療・介護・福祉業界の動向や働き方、転職のコツを紹介！
「なるほど！ジョブメドレー」は、業界№1の求人数（※36万件超、ジョブメドレー調べ）を扱う医療介護求人・転職サイト「ジョブメドレー」の下層に設置されたオウンドメディアです。
株式会社メドレーが運営し、医療・介護・福祉・ヘルスケア業界などへの仕事に就いている方や今後就きたい方に、役立つ情報を発信しています。
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それぞれの記事の下には関連記事や関連職種の求人情報が設置されているほか、任意のキーワードを組み合わせて求人を検索できるなど、サイト内の回遊導線も確保されています。
また、ユーザーが会員登録するメリットも以下のように充実していることが特徴です。
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コメディカルドットコム ｜ 直接応募で自由な転職活動を
「コメディカルドットコム」は、セカンドラボ株式会社が運営する医療福祉業界の転職サイト。毎日5,000件以上の求人が更新されることで、より正確な情報を得られることが特徴です。
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ユーザーがストレスなく閲覧できるシンプルなページ構成が特徴で、個別記事では記事の最後にランディングページへ導入するバナーが設置されているのみです。
ランディングページでは積極的に訴求を行なっており、メリハリのあるサイト設計です。
ユーザーの状況に合わせて、提供する情報のバランスをうまくコントロールしているサイトです。
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株式会社クイックが運営する「看護roo！」は、看護学生や若手看護師向けの情報を発信するメディアです。
一般的なコラム記事のほか、看護技術動画や看護用語辞典など、さまざまな形式のコンテンツが豊富にそろっています。看護師を題材にした連載マンガやユーザー同士が交流できる掲示板機能など、再訪したくなるような仕組みも特徴的です。
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【医療系求人ポータルサイト】SEO対策に王道なし！緻密な3C分析が勝敗を分ける
以上、今回は弊社が施策を担当した医療系求人サイトの成功事例をご紹介しました。
競合が業界最大手であり、すでに一定の成果を上げているサイトのご相談だったため、非常に難易度は高いものでしたが、結果として「1年で会員登録数2倍」など十分な成果を上げました。
行った施策はあくまで基本に忠実なものです。しかし、客観的なデータを細部まで徹底的に分析し、クライアントサイトにとっての最適解を追求したことが本案件の成功につながりました。
また、コンテンツ制作において、クライアント様に積極的に関わっていただき、併走して施策に取り組めたことも、成功の大きなポイントの一つといえます。
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