日本国内では、月間およそ2,600万人(2019年3月時点)がFacebookを利用しているといわれています。Facebookの最大の特徴は実名登録制にあります。プロフィールや交友関係、興味・関心の向きなどを蓄積した信憑性の高いユーザーデータベースによるターゲティング精度は、サービスや商品、情報を広告する上でとても魅力的です。
Facebook広告のフォーマットは多岐にわたり、目的に適うフォーマットを選ぶことが、広告出稿の効果に大きく関わってきます。主なFacebook広告のフォーマット10種類と、ターゲティング精度をはじめとするFacebook広告のメリットについて解説します。
Facebook広告の主な広告フォーマット
広告フォーマットごとに、期待できる効果や向いている商材・目的、準備するクリエイティブ素材が異なります。
画像広告(バナー広告)
画像出典:https://www.facebook.com/business/ads-guide/image
画像広告は、1枚の画像とテキストをメインとした一般的な広告です。あらゆる商品やサービスに向いています。時間や費用をかけずに早く広告配信したい場合や、本格的な広告制作の前にクリエイティブの方向性をテストマーケティングしたい場合などにおすすめです。
動画広告
動画広告は、1つの動画とテキストをメインとした広告です。画像に比べて動画には多くの情報を含められること、タイムライン上で自動再生されるためユーザーの目に留まりやすいことが特徴です。目に留めてくれたユーザーの離脱を防ぐために、冒頭の数秒でユーザーを惹きつける、音声オフにしているユーザーにも伝わるように字幕をつける、15秒以内を目安にコンパクトに構成するといった工夫をするとよいでしょう。画像広告と同様に、あらゆる商材に向いています。
参考:Facebook動画広告のメリットと効果を最大化する方法を解説
スライドショー広告
スライドショー広告は、3〜10枚の画像もしくは1つの動画、テキスト、音声を組み合わせられる広告です。主なメリットは、紙芝居形式でストーリー展開できること、動画撮影の費用をかけずに動きのあるクリエイティブを作れること、動画広告に比べてデータ量が小さいためにインターネット接続速度が遅くてもスムーズに再生できることの3点です。サービスのメリットを1つずつ提示する、仕組みや手順を実演する、さまざまなアングルから商品紹介するケースなどに向いています。
カルーセル広告
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カルーセル広告は、最大10件の画像や動画を用いて、それぞれに異なるリンクやCTAボタン(Call to Action:購入や申し込みなどを促すボタン)を付けられる広告です。ユーザーが横にスワイプすることで画像や動画をインタラクティブに見せられるので、能動的に目を留めてもらうことが期待できます。商品ラインナップ、複数のサービスやユーザー体験、ブランドストーリーなどを一連で伝えたいケースに向いています。
インスタントエクスペリエンス広告(旧:キャンバス広告)
インスタントエクスペリエンス広告はスマホ専用のフォーマットで、広告をタップするとフルスクリーンの画面が立ち上がります。動画・画像・カルーセル・ボタン・テキストなどを組み合わせて1枚のランディングページのように表示できるのが特徴です。外部リンクに遷移するよりも読み込み速度が速いので、読み込みのタイムラグによるユーザーの離脱を防ぐことが期待できます。商材が複雑で動画広告やカルーセル広告などでは説明しきれないケースなどに向いています。
コレクション広告
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コレクション広告もスマホ専用のフォーマットで、ユーザーごとの行動や興味・関心に合わせて、Facebookに登録した製品カタログのアイテムを複数表示できる広告です。広告をタップするとフルスクリーンの画面が立ち上がり、没入感の高いかたちでスムーズなショッピング体験を提供できます。EC系サイトに向いています。
ダイナミック広告
ダイナミック広告は、見た目はカルーセル広告と似ていますが、ユーザーごとの行動や興味・関心に合わせて、あらかじめFacebookに登録した製品カタログの中から関連性の高いアイテムがピックアップ表示される広告です。EC系サイトをはじめ、旅行や不動産、求人などの商材に向いています。
リード獲得広告
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リード獲得広告は、イベントやセミナー申し込み、メルマガ登録、見積もり依頼などに適した広告です。広告をクリックすると、外部リンクに遷移せずにユーザー情報の入力フォームが表示されるので、ユーザーの離脱を防ぐことが期待できます。
クーポン広告
クーポン広告は、Facebook上で発行したクーポンを画像や動画に付けて配信できる広告です。店頭用、オンライン用、両方の3パターンで利用できるクーポンが用意されており、EC系サイトはもちろん、小売店や飲食店の来店訴求にも有効です。
イベント広告
イベント広告は、Facebookイベントページと連動させた広告で、開催するイベントやセミナー、説明会などの認知を広げたりチケット購入を増やしたりしたいときに活用できます。
Facebook広告のメリット
Facebookに広告を出稿するメリットは、主に次の4点です。
実名登録制ゆえにターゲティング精度に期待できる
実名での交流が大原則のFacebookでは、ユーザーのプロフィールや、行動(投稿や「いいね!」など)から汲み取れる興味・関心の信憑性の高さが魅力です。それらが蓄積されたデータベースからペルソナに沿ったターゲット層を詳細に設定し、広告を展開することができます。
ユーザーベースのトラッキングでコンバージョンを測定できる
cookieによるブラウザベースではなく、ユーザーID単位でトラッキング(広告クリック後の行動の追跡や分析)ができます。ユーザーの行動をより正確に捉えることができるので、ターゲット層や広告効果の検証に役立ちます。
認知、集客、購買など、さまざまな目的に沿った広告を展開できる
通勤時間や待ち時間など、多くのユーザーは1日のうちで何度もFacebookを開きます。広告への接触回数を期待できるとともに、サービスや商品のリリース段階に応じて細やかにアプローチできます。例えば、認知を広めたいフェーズ、コンバージョンを増やしたいフェーズで展開する広告は変わってくるでしょう。
目的に合わせて、多彩な広告フォーマットから選べる
上述したように、Facebook広告にはさまざまなフォーマットが用意されています。目的やクリエイティブ素材に適したフォーマットで広告を展開することができます。
Facebook広告のターゲティング
ターゲティングはすなわち広告のペルソナ設定でもあり、どのようなユーザーにどのようなメッセージを届けたいかをできるだけ具体的に考えておくことが、広告効果を上げるポイントです。
Facebook広告では、次の3つのターゲティング(オーディエンス設定)を行うことができます。
• コアオーディエンス:
ユーザーのFacebookプロフィールや行動履歴などをもとにFacebookが独自のセグメントを用意しており、単一もしくは複数のセグメントを掛け合わせて設定します。
• カスタムオーディエンス:
広告主の既存の顧客データやwebサイト訪問者のデータとFacebookデータベースとを紐付けて設定できます。もちろん、ユーザーのプライバシーはFacebookによって配慮されます。
• 類似オーディエンス:
カスタムオーディエンスなどをベースに、そのオーディエンスに含まれるユーザーに類似する特徴をもつユーザー層にリーチする設定です。
目的に合わせたキャンペーンの種類
Facebook広告は「キャンペーン」「広告セット」「広告」の3層構造で成り立っています。ベースとなる「キャンペーン」は、最終的に広告で何を実現したいのかという目的を設定する項目です。次の11種類の目的から1つ選択します。各目的の詳細は、Facebookビジネスヘルプセンターで解説されています。
• 認知
①ブランドの認知度アップ
②リーチ
• 検討
③トラフィック
④エンゲージメント
⑤アプリのインストール
⑥動画の再生数アップ
⑦リード獲得
⑧メッセージ
• コンバージョン
⑨コンバージョン
⑩カタログからの販売
⑪来店数の増加
おわりに
多彩に用意されているFacebook広告のフォーマットはそれぞれ、向いている商材や準備するクリエイティブ素材が異なります。展開する広告の目的を一番に勘案しながら、フォーマットを選択しましょう。