強調スニペットとは
強調スニペットとは、ユーザーのキーワード検索に対して端的に回答している部分が、Google検索結果画面の最上部に強調して表示される仕組みのことです。
強調スニペットは、回答となるテキストの他にもページタイトル、URL、画像などが表示されます。
ユーザーは場合によってはWebページをクリックしなくても必要な情報が手に入ることもあるほど精度が高く、ウェブマスターにとっても目立つ位置に自サイトの情報を表示できるというメリットがあります。
強調スニペットが表示される場所
下記は「リッチリザスト」で検索した時の強調スニペットです。
赤枠が強調スニペットで、検索結果の最上部に表示され、Webページの中からリッチリザルトについて短く簡潔にまとめられたテキストが抽出されていることが分かります。
なお、稀に強調スニペットは必ずしも最上部に表示されるわけではないようです。
下記は、「構造化データ」での検索結果で、この場合は学術記事への関連リンクのほうが上部に表示されています。
とはいえ、ほとんどのケースでは最上部に表示されますので、ユーザーへの露出機会を高めることが可能です。
動画で解説:強調スニペット
この記事の内容は動画でも解説してます。
読むより観るほうがよろしい方はぜひこちらをご覧ください!
強調スニペットの種類と表示例
強調スニペットには以下の情報が含まれています。
強調スニペットに含まれるもの:
- 第三者のウェブサイトから引用された情報
- ページへのリンク
- ページのタイトル
- ページの URL
強調スニペットに表示される種類はいくつかあり、どのような形で引用されるかによって見た目が変わります。
以下は、参考までにいくつかのパターンでのキャプチャを記載します。
・テキスト型
冒頭で紹介したような、キーワードの質問に対する回答が、テキストで簡潔に説明されているものです。
ほとんどの強調スニペットはこのタイプです。
・リスト型
キーワードに対する回答が、説明よりも箇条書きや手順のほうがわかりやすいと判断された場合はこの形式の強調スニペットが表示されることがあります。
多くの場合、強調スニペットとして採用された箇所はリストタグ(ul・ol・li)でマークアップされていることがほとんどで、Googleが適切にピックアップして強調スニペットとして表示しています。
・テーブル型
表を用いてチケットの価格がわかりやすく掲載されています。
該当ページへ行くと価格表がtableタグでマークアップされており、強調スニペットにはこの部分が採用されていることがわかります。
・その他
以下で紹介するものは強調スニペットに似ていますが、強調スニペットでないと考えられるものです。
理由は、リンクがない、Googleのサイトであるなどの理由で強調スニペットの条件を満たしていないためです。
動画タイプ
YouTubeに投稿されている動画がピックアップされます。
YouTubeは強調スニペットの条件である「第三者サイト」とは言えないと考えられるため、厳密には強調スニペットではないでしょう。
ナレッジグラフのような要素や「他の人はこちらも検索」も予め表示されるなど、他の強調スニペットにはない特徴も見られます。
また、以下のケースでは全てリンクがなく強調スニペットではありません。
「天気」で検索
「1ドルは何ドル?」で検索
「フリード 価格」で検索
これらの強調スニペットに似たボックスはダイレクトアンサーと呼ばれることもあり、比較的明確な答えがある検索ワードで多く見られます。
強調スニペットに表示させる方法
強調スニペットが表示されないキーワードも多くあり、Googleは表示させるかどうかを自動で決めています。
そのため、ウェブマスター側でこれさえやれば表示されるというような出し方や設定があるわけではありません。
自分のページを強調スニペットとして設定できますか?
ご自分のページを強調スニペットとして設定することはできません。Google では、ユーザーの質問に対する回答がページに含まれていることをシステムで判断し、その結果を強調スニペットとして表示します。
強調スニペットとウェブサイト
しかしながら、表示されやすくなるために押さえておくポイントはいくつかあります。
上位表示させる
強調スニペットに採用されるページは、検索結果の1ページ目(10位以内)であることがほとんどです。
参考:Ahrefsの調査で、強調スニペットに表示されているページの99%が、10位以内にランクイン。
出典:https://ahrefs.com/blog/featured-snippets-study/
強調スニペットに表示させたい記事がまだ上位表示していないのであれば、まず順位を上げる必要があります。
強調スニペットとして表示されるキーワードは、「〇〇とは」や「構造化データ」などユーザーがよく検索するキーワード(いわゆるビックワード)であることが多い為、小手先ではなくしっかりと情報が網羅されているかを確認する必要があります。
順位を上げるにあたって、テキストだけで情報を伝えることが難しい難解な関係図や感覚・イメージなどは、画像・動画などのリッチコンテンツで情報を補足するなど、ユーザビリティを考慮することも重要です。
一方、すでに上位表示しているが強調スニペットに表示されていないのであれば、記事の修正により表示されるようになる可能性があります。
短く簡潔な回答を用意する
強調スニペットはユーザーの質問(検索キーワード)に対する簡潔な回答ですので、その部分だけで概要は理解できる必要があります。
表示させるためには、その回答部分をWebページ内に用意します。
表示されやすいキーワードとして、「○○とは」などの明らかに質問であることがわかる場合に表示されやすい傾向がありますので、「〇〇とは~です。」といったように、意図して表示を狙う箇所を用意することは非常に有効です。
その他には以下のようなポイントがあります。
・表記の仕方は、「~~と思われる」などではなく、「です」「ます」調で示す、
・質問部分と回答部分の両方を記載する
なお、段落タイプの場合、前述の「リッチリザルト」の場合は130文字程度ですが、より短いテキストが採用されるケースが多いようです。
Googleが理解しやすいよう、適切なHTMLマークアップを用いる
Googleが内容を適切に理解しやすくなるよう、HTMLマークアップを行います。
・段落にはpタグを用いる
・順序を考慮しない箇条書きにはul/li のリストタグを用いる
・手順など順番を考慮する場合はol/liのリストタグを用いる
・表形式のほうがわかりやすい場合にはtableタグを用いる
Googleはコンテンツの内容や重要度を理解するために、様々な要素を利用します。コンテンツの質はもちろん大切ですが、その内容をGoogleに正しく伝えるための要素を押さえてこくことも重要です。
これらは、一般的なSEOの施策においても押さえておくべき要素です。
Googleポリシーに準拠する
GoogleはGoogle検索ヘルプページで「強調スニペットに関するポリシー」を掲げています。
https://support.google.com/websearch/answer/9351707
・露骨な性表現
・差別的である
・暴力的である
・有害で危険である
・公共性の高いトピックにおいて広く合意が得られている内容と反している
の5つの項目を挙げています。
多くのサイトにとっては普通に運営している限りは抵触しない内容でしょうから、特に気にする必要はないでしょう。
構造化データは必要なのか?
Googleは強調スニペットに構造化データを参照していないと発言しており、検索結果分析による結果でも強調スニペットと構造化データとの相関は見られていません。
そのため、強調スニペットのみに関して言えば構造化データは必要ありません。
しかしながら、構造化データの本来の目的は特にリッチリザルト表示など、Googleのコンテンツ理解を促進するためにありますので、強調スニペットを狙うかどうかに関係なく、設定可能な場合は構造化データを設置しておいた方が良いでしょう。
強調スニペットのメリット・効果について
強調スニペットは、基本的には検索結果上の最上部で目立つ為、検索からの流入増加が期待できます。
また、音声検索で使用される可能性があることもメリットとなります。
検索結果からの流入増加の可能性が高まる
・サイト運営者にとってのメリット
強調スニペットに採用されると、その時点で検索結果の最上部に表示されます。
そのため、表示前は検索結果の5位などにいたサイトであっても、強調スニペット表示によって一気に検索結果ページの上方に掲載でき、クリック率が大きく高まることが期待できます。
また、通常の検索結果より優遇されており、目にしたユーザーの中には情報を信頼・安心してクリックするケースもあるものと考えられます。
結果的に、強調スニペットに表示されることで、自然流入の増加が期待できるでしょう。
・検索ユーザーについてのメリット
検索した際、通常は似たような検索結果からユーザーがどのページをクリックするかを判断する必要があります。
強調スニペットが表示されることで、ユーザーは迷わず知りたい情報へアクセスすることができ、場合によっては、検索結果画面で目的が完了してしまうこともあるかもしれません。
なるべく少ないアクションで情報を届けられる為、時間短縮やストレス軽減のメリットがあります。
Googleは、検索キーワードに対して、適切な情報を早く正確に提示することを目指していますが、強調スニペットもそれを補完する役割があると言えます。
音声検索で使用される場合がある
GoogleアシスタントやAlexa(アレクサ)等の登場で、海外で浸透が進んでいる音声検索ですが、Googleアシスタントでは、強調スニペットが音声出力として返される場合もあります。
https://support.google.com/websearch/answer/9351707?hl=ja
Googleアシスタント等で音声検索をするユーザーは、その場ですぐ検索し、端的に情報を求めている場合が多いことが予想出来るため、簡潔に情報が纏まっている強調スニペットは、音声検索との相性が良いと考えられます。
日本ではまだまだ普及が少ないですが、今後利用率が上昇していくことで強調スニペットに表示されるメリットが大きくなる可能性を秘めています。
強調スニペットを非表示にする方法
強調スニペットを意図して表示することはできませんが、何らかの理由で表示したくない場合には非表示(オプトアウト)にすることは可能です。
以下の3つの方法で非表示にすることができますが、設定によってトラフィックが減少するリスクが高く、基本的にはおすすめいたしません。
nosnippet メタタグ
このタグが設定されたページの全てのスニペットを無効にするもので、強調スニペットだけでなく通常のスニペットも一切表示されなくなります。
メタタグとしてhead内に指定します。
使用例
<meta name="robots" content="nosnippet" />
スニペットそのものを非表示にするためのタグです。タグが設定されたページの強調スニペットと通常スニペットの両方で表示されなくなります。
data-nosnippet
スニペットに使われたくないテキストを指定するためのタグです。
こちらはbody内で使用することで、spanやdivタグで囲まれた部分を、強調スニペットと通常スニペットの両方で表示されないようにすることができます。
使用例
<span data-nosnippet>この部分はスニペットとして表示されなくなります</span>
max-snippetメタタグ
スニペットで使われる文字数を指定文字数以下に制限するためのメタタグです。
タグが設定されたページの強調スニペットと通常スニペットの両方で文字数を制限するため、強調スニペットに適さない文字数以下では強調スニペットに表示されにくくなります。
通常のスニペットとして最低限の文字数は表示はさせたいが、強調スニペットには表示させたくない場合に使用します。
なお、Googleはスニペットの最後に”…”を自動で付与します。
文字数を設定する際はこの”…”を1文字分として考慮するようにします。
使用例:21文字以下に制限する場合
<meta name="robots" content="max-snippet:21">
強調スニペットに関する留意点
頻繁に入れ替わる
強調スニペットは日々変化しており、場合によっては5分後には表記されなくなることもあるなど、表示結果の変化が非常に激しいです。
強調スニペットに関するアップデート
強調スニペットに関する仕様変更もしばしば行われます。
強調スニペットを重視しているサイトでは更新がないかどうか注意しておきましょう。
強調スニペットに表示されると通常検索結果に表示されない
以前は強調スニペットに表示されたページが、同じ検索結果ページ内の通常の検索結果にも表示される「二重取り」ができていました。
しかし2020年1月の変更によってそれができなくなりました。
If a web page listing is elevated into the featured snippet position, we no longer repeat the listing in the search results. This declutters the results & helps users locate relevant information more easily. Featured snippets count as one of the ten web page listings we show.
— Danny Sullivan (@dannysullivan) January 22, 2020
変更があったとはいえ、SEOにおいてはより上位を目指すという方針を変える必要はないと考えられます。
自動スクロール
2020年6月4日より強調スニペットをクリックすると、ページ内の引用箇所まで自動でスクロールし強調して表示される機能が実装されました。
この機能はもともとAMPのみで対応していたものでしたが、これによりAMP以外のページでも利用可能となりました。
ただし、Chromeの機能に基づいているため、その他のブラウザでは非対応となっています。
As we have done with AMP pages since December 2018, clicking on a featured snippet now takes users to the exact text highlighted for HTML pages, when we can confidently determine where the text is, for browsers that support the underlying technology….
— Google SearchLiaison (@searchliaison) June 3, 2020
なお、この仕様もオプトアプトすることが可能で、.htaccessなどでDocument Policyの設定を行います。
Document-Policy: force-load-at-top
強調スニペットのクリック率
強調スニペットのクリック率に関して、通常検索の1位と比べてクリック率が低下するのではないかという分析があります。
参考:https://ahrefs.com/blog/featured-snippets-study/
通常検索1位:26%
強調スニペット:8.6%
強調スニペットの下(2位):19.6%
しかし、強調スニペットを表示させないようにするとクリックや低下したという研究や、狙って2位を獲得することが難しいことから、特に順位が低いキーワードにおいては強調スニペットやより上位への表示を狙うという方針は変えなくてよいものと考えられます。
一方、もしすでに強調スニペットに表示されているページのクリック率に懸念がある場合には、状況をしっかり分析しリスクを把握した上で何か施策を打つことを検討してもよいかもしれません。
まとめ
強調スニペットに表示させる為の確実な方法は存在しません。
敢えてテクニック的な要素を挙げるとすれば、「回答を短く簡潔にまとめた領域を準備する」「HTMLマークアップを適切に設定する」ことが挙げられます。
それを除くと、現在のところ「上位表示が必要」という条件もあり、基本的にユーザー視点に立ってコンテンツの作成を行うことが重要になります。
ユーザーが求めているのは利便性ですので、欲しい情報がコンテンツから手に入り、簡潔でわかりやすいことが求められます。
必要な情報が網羅できているか
情報は正確かどうか
内容はわかりやすいか・伝わりやすいか
独自の情報はあるか
情報元は記載されているか
ポリシーに違反していないか
etc・・・
最終的には、ユーザーが求めているものを提供できているかという本質にしっかりと向き合っていくことが重要になります。
コンテンツを作成した後の振り返りと改善を継続できることが成功率を高める秘訣ではないでしょうか。