12月21日にGoogleポリシーオフィスアワーが開催されました。
今回はGoogle検索セントラルフォーラムにてプロダクトエキスパートを獲得している方々がゲストとして参加されて、前回予告のあった座談会のようなパートもありました。
前半はいつものようにGoogleの金谷さんとあんなさんによる質問回答が行われ、後半はプロダクトエキスパートを交えたディスカションが行われました。
検索に関するQ&A
しごと検索で求人が表示されない
Q.エラーなし、コンテンツポリシーにも問題ないと考えられるのに表示されないのはなぜか
サイトがセーフサーチ対象であることや、成人向けの仕事なども関係あるのか?
A.伝えられる範囲としては、
・リッチリザルトテストで問題がなかったとしても、必ずしも表示されるものではない
・ガイドラインに記載されていること以上にお伝えできることはない
※補足
前回のオフィスアワーでされた質問と同様ですが、回答も同じようにしかされませんでした。
しごと検索
Q.description内に正社員と記載し、employmentTypeにFULL_TIMEを設定しているのに、しごと検索で正社員とワード検索をしたときにヒットしない
A.しごと検索の各構造化データプロパティは、フィルタ機能(正社員など)で使用されている
タイトルやディスクリプション内の文言に一致するものを表示するものではない
アルゴリズムの問題であるが、疑問に思うこともあるので担当チームにフィードバックしておく
ウェブマスター側でこれ以上できることはない
Aggeregate rating の構造化データ
Q.他サイトから提供を受けたレビューを自社サイトに掲載した場合、構造化データをマークアップすることはガイドライン違反にあたるのか
参考:技術に関するガイドライン – 口コミ抜粋
A.ガイドライン違反になる可能性が高い
そもそも口コミは、たとえば客観的な視点が提供できるというメリットがあるが、良い評判だけをピックアップしているサイトは出典がわからなかったり、実在性を疑われたりすることで逆に信頼を落とす可能性をあるのではないか
構造化データのガイドライン以前に、そういったデータを載せる意味があるのか(必要かどうか、機能しているかどうか)は議論の余地があるのではないか
MFI登録に関するおすすめの方法
Q.モバイルではPCと完全に同じ状態にすることが難しいため、商品の説明文や画像の数などを少なくすることは問題ないか
cssなどで調整する方法はガイドライン的に問題ないか
A.方法によるが、ガイドライン的に問題がありそう
・PCクローラーが読み込んだ内容がSPページにはない
・cssで隠したままどうやっても表示できない
→GoogleがMFI導入を行った理念と逆である
ただし、デフォルトでは表示されないが、ユーザーのアクションで表示することができるようになっているのであれば問題ない
ページがインデックスされない
Q.インデックスされない問題についてのアップデートについて
A.現時点で新たに伝えられる情報はない(前回の回答はこちら)
報告は多く寄せられるため、社内担当チームに報告やエスカレートを行っている
ただし、オフィスアワーの立ち位置については、Googleプロダクト側の社員の立場から発生している問題を解決するために具体的なアドバイスを行う場にしたい
検索はどうあるべきか、順位を上げるという議論・コメントは難しい
Google社員がサイトの情報をもとに、発生している問題や状況を確認しているのはグローバルで行われているオフィスアワーの中でもおそらく日本だけであるため、うまく利用して欲しい
質問が取り上げられなかったとしても、担当者エスカレートしている
data-nosnippetマークアップが無視される
Q.data-nosnippetマークアップが無視されてスニペットに表示されてしまう
A.表示されていることが確認されたので担当チームに共有した
WEBに関する指標のURL検出数
Q.URLの検出数が月ごとに増減するのはなぜか
サイトのURLは増え続けているため、右肩上がりになるはずである
A.サーチコンソールに表示されるデータはChrome User Experience Report(CrUX)の一部のデータのみが使用されている
URL数などは有用な数値ではなく、傾向を捉えるために活用してほしい
PXレポートの良好URLが0%のまま
Q.モバイルフレンドリー、HTTPSに問題なく、ウェブに関する主な指標に関しては一度悪化したものの現在はすべてのURLが良好なサイトであるが、ページエクスペリエンスレポートで良好なURLが0%のままである
A.サーチコンソールがレポートするURLのサンプリングが原因である可能性がある
担当チームにも報告した
※補足
全てのURLに問題がないのであれば、サンプリングでは説明がつかないように思いますが、いずれにしてもウェブマスター側でとれる対策はなさそうです
CLS:最大のセッション ウィンドウの特定
Q.Chrome DevToolsを使用してCLSスコアに影響を与えている最大セッションウィンドウを調査するにあたって、該当のレイアウトシフトは以下であっているのか
・Current Cluster Scoreが最大のCurrent Score IDを持っている
・”Had recent input”の値がNoである
A.その通り
パブリッシャーポリシー
ユーザー作成コンテンツに関するトラブルシューティング
以下のトラブルシューティングコンテンツができたので、UGCを公開していて、AdSenseに問題のあるサイトは使って欲しいとのこと
ユーザー作成コンテンツに関するポリシーを遵守するにあたってのトラブルシューティング
検索に関するディスカション
ここからはプロダクトエキスパートを交えたディスカッションが行われました
多くのコメントがされましたが、一部を紹介しています
多言語サイト、言語に応じたリダイレクト
Q.IPアドレスでリダイレクトするのは危険だが、IPアドレスをもとにクッキーでリダイレクトするのは問題ないのか
※補足
上記は中心部分以外を端折ったものです
また、もとの質問内容を完全に理解できた回答者がおらず、各回答には推測が含まれます
A.
- ユーザーとGooglebotに同じものを見せている限りはクローキングにはならない
- ただし、この場合、USから来たクローラーがUSバージョンしか見られない状態であれば、他の言語のユーザーに適切な言語のページを表示することができなさそう
- 検索からの対策では、hreflangを設定するとよい
- Googleビジネスプロフィールで設定できるURLは1つだけのため、言語に応じたページを見せるために、初回は言語を選択してもらい、以降は言語に応じてリダイレクトを行った例もある
その際重視したのは、Googlebotを勝手に振り替えないこと、ユーザーとGoogleを同じように扱うこと、の2点である - 検索の地点と言語が異なる場合もあるので、いきなりリダイレクトすべきではない
モーダルで言語を選択したり、クッキーを使って振り分け先を決めるとよい - なお、モーダルウィンドウの実装時に問題ないかどうかはURL検査ツールでレンダリングできてるかどうかでほぼ検証可能
- Googleは当該ページをレンダリングする間はクッキーが有効なので、クッキーを使ったリダイレクトを設定した場合、Googlebotもリダイレクトされてしまうのでは?(※補足 発言されたエキスパートの方は検証されたようですが、同意された方はいませんでした)
- IP v4アドレスでは、ある国が使っていたアドレスを別の国に登録しなおしている例もあるため、IPアドレスによるリダイレクトはおすすめできない
- 言語のことだけを考えるのではなく、地域も大事な場合もあり、同じ言語でも地域によって探されている情報は違うことがある(※補足 もともと多言語サイトの話であるのに、IPアドレス(地域)の話をしていることから、前提として言語と地域が混同された質問になっています)
ABテストのリスクとクローキングの可能性
Q.カテゴリページのリニューアルで、カテゴリページが数百・数千ある場合、すべてのページでABテストを実施してもよいのか
また、クローキング対策はどのようにすればよいのか
- クローキング対策の解釈についてはドキュメントを見てほしい(Google 検索でウェブサイトをテストする場合のおすすめの方法)
ABテストでは別のURLを用い、canonicalで正規ページを伝えることができる - パーソナライズ目的でJavaScriptを使うなどにより、コンテンツを大きく変える場合はスパム対策チームがクローキングと判断する可能性がある(ただしこれはABテストの話ではない)
- 検索パフォーマンスは気にせずユーザー行動だけであれば例えばログイン機能を使えばよい
検索を気にしている場合、カテゴリページを全て変えるのではなく、1つだけ変えて他と比較することで悪影響のリスクを回避できるのではないか(厳密にはABテストではない) - たとえ数百数千ページをテストしたとしてもそれだけでGoogleで問題になることはない
ただし、成果が出るまでにクロールの効率と比較してどちらを優先させるかはポイントになる - 先述のガイドラインには「Google では、必要以上に長くテストを実行しているサイトを検出した場合、検索エンジンを欺く意図があるものとみなし、適宜措置を講じることがあります。」との記載があるが、リダイレクトではなくcanonicalを使ってドキュメントにある方法でテストをしている限り、期間が原因でクローキングにはならないのではないか
→期間の目安があるかどうかをGoogle社内で確認するとのことです - ABテストは成果を失う可能性があるのでいきなり大規模には行わなず、小規模から始めて全体に広げていくとよい
- 新規・リピーターなどで目的達成の仕方が変わるためGoogle検索ではABテストをしたことがない
- 広告LPでテストを行う場合、広告LPにリダイレクトをかけた場合、審査に落ちてしまう
おわりに
コロナ禍で生活パターン・考え方・働き方・生き方などの「変化」がユーザーの挙動の変化にも影響するし、Google検索やWebも変化している。
そのような中でユーザーが探している情報を提供するためにコンテンツが重要になるとのことです。
次回は2022年 1/27(木)予定とのことです。
Googleポリシーオフィスアワーの質問受付フォームはこちら
質問フォーム(Google ポリシー オフィスアワー)
※ランキングに関する質問には基本的に回答されないので注意