1月28日に2021年最初のオフィスアワーが開催されました。
Googleの金谷さんとあんなさんが回答した内容をまとめます。
Googleからのお知らせ
ブログの移転について
Google検索セントラルのブログの更新先は移転しているが、旧ブログはリダイレクトがまだ設定されていないので注意
Google検索セントラルブログ
旧ウェブマスター向け公式ブログ
インデックスカバレッジレポートの改善
レポートの更新内容について、ブログでアナウンスがありました。
インデックス カバレッジ データの改善 – Google検索セントラルブログ
・crawl anormaly(クロールエラー)を細かい問題に分類するようになった
・サイトマップに送信したURLがブロックされたもののインデックスされた場合、エラーではなく警告として分類されるようになった
(※ブロックされていてもURLだけインデックスされることがある)
・コンテンツがない状態でインデックスされているという新たな警告を追加
・ソフト404の精度が上がった
Podcast #SearchOfftheRecord
新しいポッドキャストシリーズが公開されました。
🎙️ This week on #SearchOfftheRecord@JohnMu @methode and @g33konaut are joined by Cherry to discuss:
🔎 Google Search in APAC 🌏
📚 Index selection / language complexities…and more!
🎧 → https://t.co/vOexiFjdA4
✍️ → https://t.co/XZEs0j0cIj
▶️ → https://t.co/V1QDjHMntE pic.twitter.com/HAWoLsYPCG— Google Search Central (@googlesearchc) January 19, 2021
金谷さんのおすすめポイント
・役立つ情報(検索のしくみやGoogleが目指すところについてなど)
・Googleのチームの動きがわかる(チームの動きから外に表れるかを想像、理解する)
・面白い(単純に面白い上、スクリプトもあって英語の勉強にもなる)
Q&A
この記事では以下の略語を使用します。
CWV:コアウェブバイタル
CrUX:Chrome User Experience Report
[CWV]サイトの評価対象
Q.コアウェブバイタルはページ単位の評価であるという認識であるが、スコアが悪いページがあった場合、「サイト全体の評価」に影響することはないのか?
A.ページ単位の評価ではあるが、他のページにも悪影響を及ぼす可能性はある
Q.スコアが悪いページがnoindexやブロックされているページであった場合はSEOの観点からは評価対象外なのか?
A.CWVのデータソースはCrUXであって、実際のユーザーがページを閲覧するパフォーマンスを計測する。これはGooglebotをブロックしていたとしても行われる
金谷さんによると、ランキングにおいてもあくまでコンテンツが大事なので、コアウェブバイタルに過剰に期待しない方が良いのではないか、とのこと。
※補足
質問者の意図が回答したあんなさんに伝わっていない可能性もありますが、2問目の質問が、「スコアが悪いページがブロックされていた場合にSEO上悪い影響があるか」といった意図であれば、1問目の文脈から影響する可能性があると考えられます。
[CWV]LCP/FID/CLSの定義
Q.LCP/FID/CLSは「ページアクセス直後の数値」で判断されるのか?
A.概要、定義については以下を参照。
Web Vitals の概要: サイトの健全性を示す重要指標
https://web.dev/lcp/
https://web.dev/fid/
https://web.dev/cls/
コンテンツが読み込まれるにしたがってLCPの数値が更新されることや、ユーザー操作によりCLSが更新されることもある
CWVをリアルタイムに測定できるChrome拡張機能もあるので利用するとよい
※補足
LCPは読み込み完了まで、FIDは最初の入力から応答まで、CLSはロードしてからページ離脱までの累積を測定したものです。
LCPに関しては、あとからより大きな要素が読み込まれた場合LCPは更新されます。
CLSに関しては、ユーザーが滞在している間にレイアウトのずれが起きればCLSとして加算されますが、ファーストビューの外で起きるずれはラボデータではレポートされないため、フィールドデータとの差異を生む原因となります。
参考:CLSの計測対象 – Chrome Dev Summit Recap 2020
[CWV]データ不十分な場合のスコアの扱い
Q.CrUXデータが不十分な場合のページエクスペリエンスの取り扱いはどうなっているのか?
A.コアウェブバイタルに限らず、すべてのサイトでシグナルを完全に把握できるわけではないので、データが不十分な場合でも対応できるようにしている
様々な場合があるが、仮説を立てて調整している
特に今回のような場合には、(サイトを正しく認識できているかに依存するが)類似ページのスコアを用いてデータがたまっていないページのスコアを推定する
サイトが正しく認識できない場合には(類似ページがわからないために?)サイト全体のスコアを使用することがあるかもしれない
Q.データ不十分なのにSearch consoleに表示されるのはなぜか?
A.エッジケースのように思えるのでプロダクトチームに共有した
※補足
サーチコンソールではページをグループ化してレポートされていることから、1問目で言及されたように類似ページでまとめられているのではないかと考えられます。
ウェブに関する主な指標のデータ欠損
Q.サーチコンソールのCWVレポートで、特定の時期だけデスクトップに良好の件数が表示された。
同時期に検索パフォーマンスが上がったので、何か関連性があるのではないか?
A.ページエクスペリエンスのローンチはまだ先なので、現時点ではライブではない
デスクトップ版で表示できなかったのは十分なデータがなかったためであり、それによって表示された時期と表示されなかった時期があったのではないか
※補足
言及されているように、一定の閲覧数がないとCrUXにデータがたまらず、レポートを表示することができません。
検索のパフォーマンスが良い場合閲覧数が増える可能性があり、これによりその期間だけレポートが表示できるだけのデータがたまった可能性があります。
[CWV]トップストーリー枠への影響
Q.AMPキャッシュ、AMPキャッシュ元URL、スマホURLも全てのCrUXデータが合算されるのか?
A.合算される(AMPページにて適切に正規化がされている場合)。
この点に関してドキュメントを準備中である
Q.上記のような仕様である場合、コアウェブバイタルは75パーセンタイルで評価されるため、AMPページのPVが75%以上ない場合はAMPはCWVの評価対象外となるのではないか?
A.限られたリソースの中でAMPとHTMLページのどちらを優先するかは、サイトによって一概に言えない
個人的にはモバイルサイトのパフォーマンスがボトルネックになっているケースが多いと感じる
あんなさんの個人の意見として、AMPファーストに移行する予定がないのであれば、改修に時間のかかるモバイルwebから着手すると思う
ビジネスモデルや大切にしているところなどを考慮して答えを見つけてほしい
なお、トップニュース要件からAMPが不要になる(任意のページが対象になる)こと、トップニュースのランキング要因にページエクスペリエンスが加わることについては以下のブログを参照
より快適なウェブの実現に向けたページ エクスペリエンスの評価
※補足
2問目に関して、CWVの各指標は平均値などではなく、全データの指標がよいほうから75パーセント目のユーザーの指標値が、決められた基準をどの程度満たしているかで判断します。
AMPページが通常HTMLページより常に早いと仮定した場合、AMPユーザーが75%を超えていない限りは75パーセンタイルは通常HTMLページからのデータが該当するのではないかという趣旨の質問だと思われます。
その場合、あんなさんが指摘したように指標のボトルネックはAMPページではなく、通常HTMLのモバイルページとなります。
[CWV]おまけ
当初英語版のみでしたが、日本語版が公開されました
気になる点があれば参考にしてほしいとのこと
「その他のクライアントエラー」対処方法
Q.サーチコンソールのクロールの統計情報のレスポンス別レポートに「その他のクライアントエラー(4xx)」と表示され、「このリクエストタイプに対する例は保持されておりません」と表示される
A.今は状況が変わっており、例が表示されているかもしれない
引き続き表示されている場合はサーバーにも記録されていると思われるのでログを確認するとよい
検索結果に表示されなくなった
ページを変更したところ検索リストに表示されなくなった。
Q.カバレッジを調べた際に画面上に表示される「レポートはこれから変更されるので、問題の検証は現在使用できません。」とは何か?
A.今は解消されているはず。文字通りで質問の本質に関係ないので気にしなくてよい
Q.表示されなくなったのはアップデートの関係なのか、HPに問題があるのか?
A.通常はHPに問題があるからアップデートの影響を受ける
今回の場合はGoogle側に問題がなかったのでアルゴリズムによる影響ではないか
なお質問者の例では、できたばかりのサイトのようで原因がわかりにくい模様
登録されたばかりサイトはランキングやインデックスが安定しないことは起こりうる
また、変更内容自体も関係すると考えられる
多数スパムサイトに名前が記載されている
Q.スパムサイト(130以上のサイト)に自分の名前が貼り付けられている
アカウントが乗っ取られていないか不安
A.事象としてはよく紹介しているハッキングされたサイトによるスパムである
名前が貼り付けられているだけであるならば、ハッキングされたサイトとしてスパムレポートを送ってほしい
フランチャイズ店舗独自のサイト展開構成
Q.フランチャイズ展開しているサイトでは各店舗によって異なるのは店舗紹介やお客様の声程度になってしまい、オリジナル箇所がほとんどない
重複と判断されるため望ましくないのか?
ディレクトリでもドメイン変更でも差はないのか?
A.重複と判断される可能性は低い
重複のコンテンツがあること自体が問題になることはない(ペナルティなどはない)
ただし重複のコンテンツは価値が低く、ランキングに影響を与えることがあるかもしれない
ただし、この場合誘導ページのスパム(地域名などだけが違う、ほとんど同じで1つ1つの固有の価値が低いページに誘導するようなページ)の懸念があるため、オリジナルコンテンツ(お客様の声など)を増やすことで解決する
重複について、検索結果からの流入を過度に期待する場合は話が変わってくるかもしれないが、重複が存在すること自体は悪いことではない
サイトの価値を高めることに注力するとよい(お客様の声、ブログ発信などの店舗独自のコンテンツなどにより、お店が独立しているように見えるようにする等)
重複を気にする必要がないため、ディレクトリかドメインかについてはどちらでもよい
XMLサイトマップの記述
Q.<urlset>タグのネームスペース(xmlns)のurlがhttpとなっているがhttpsとしても問題ないのか?
A.問題ない(どちらでもよい)
このネームスペースは固有であることが重要で、クローラーがこのURLにアクセスして中身を確認しているわけではない
なお、httpで記述するのが一般的なので、管理上問題が生じる可能性があるのではないか
変えるメリットもないので、httpのままにしておくのが無難ではないか
sitemap送信時にPC/SPともリンクする場合
Q.「両方のURLにリンクする必要があると考えられる場合」とはどのような場合なのか?
ページのモバイル版とデスクトップ版の URL が異なる場合は、サイトマップでいずれかの URL にのみリンクすることをおすすめします。ただし、両方の URL にリンクする必要があると考えられる場合は、URL にアノテーションを付けて、デスクトップ版とモバイル版を示します。
サイトマップの作成と送信
A.特に気にしなくてよい
仕様上アノテーションをページ内に入れられないような場合にサイトマップに記載することができる
なお、別々のURLはおすすめしていない
背景として、モバイルフレンドリーアップデートが行われる前(2013,14年あたり)は、スマホが普及したばかりのPC全盛で、モバイル対応していないサイトが多く、システム上モバイル対応やアノテーションを入れることが難しいケースも多かった
AMPのGA4サポート
Q.AMPはGA4をサポートしているのか、サポート予定はあるのか?
A.サポートしていない。要望があることはチームは把握しているが、予定については話せることはない。
データについて、AMPをサポートしていないためPair AMP構成のサイトでは、旧GAとの数値の乖離が生じる
詳しいことはアナリティクスのフォーラムで聞いてほしい
次回は2月25日(木)とのことです。
最後に金谷さんより、ビジネスを始める際には正しい情報を見て、簡単に儲かる話に乗っからず、信頼できる人の情報を聞いて欲しいとのことでした。