本記事では、2023年9月に実施されたGoogleヘルプフルコンテンツアップデートの変更点や影響を受けやすいサイトの特徴や対策方法をそれぞれ具体的に解説します。
「ヘルプフルコンテンツアップデート」の名前を聞いたことがあるものの、詳細や対応策がわからないというサイト運営担当者の方はぜひ参考にしてください。
なお、本記事の内容の一部は、以下の動画でも解説しています。
また、SEOの基本的な考え方、上位表示に必要なポイントなどについては以下の記事を併せて参考にしてください。
【2023年最新】SEO対策とは?SEOの原理原則と上位表示するための5つの評価基準を完全解説!
ヘルプフルコンテンツアップデートとは?
ヘルプフルコンテンツアップデートは、Googleが検索アルゴリズムに対して行なうさまざまな改良の一種で、ユーザーに役立つコンテンツをより高く評価するためのものです。
このアップデートは、「ユーザーに満足感を与えるコンテンツ」を正当に評価し、「ユーザーの期待に応えられないコンテンツ」との差別化を図ることを目的に2022年から実施されてきました。
その背景にあるのは、実際の品質に見合わない高評価を得てきたコンテンツの存在です。
Googleはかねてから、「ユーザーに役立つコンテンツを重視する」と明言しています。
しかし、SEOのためだけに量産された低品質なコンテンツや、検索アルゴリズムの裏をかく手法で作られたコンテンツが高く評価されてしまっているケースは少なくありません。
そこで、ヘルプフルコンテンツアップデートを実施することで、Googleはこのような状況の是正を目指しているのです。
ヘルプフルコンテンツアップデートの影響は広域におよび、連日のように行なわれている小規模なアップデートよりも大きな順位変動が予想されます。
参考:Google 検索のヘルプフル コンテンツ システムとウェブサイト|Google検索セントラル
ヘルプフルコンテンツアップデートについては、初めて実施された2022年8月の状況を中心に解説した以下の記事も併せて参考にしてください。
ヘルプフルコンテンツアップデートとは?今やるべきことをねぎお社長が解説
ヘルプフルコンテンツアップデートの歴史と実施履歴
ヘルプフルコンテンツアップデートは、Googleが実施してきた数あるアップデートのなかでは歴史の浅いものです。
初めて実施されたのは2022年8月25日で、英語での検索に限定して行なわれた点が特徴的でした。
日本語に対して初めてヘルプフルコンテンツアップデートが実行されたのは、同年の12月5日です。
このときは、すべての言語での検索を対象として実施され、英語については2度目となりました。
それから9ヵ月後の2023年9月14日にも、ヘルプフルコンテンツアップデートが実施されました。
英語については3度目、日本語では2度目となります。
2023年8月22日から実施されていたコアアルゴリズムアップデートの終了から間もない時期だったことも印象的でした。
Our help page about the helpful content system has new guidance about hosting third-party content and more explanation on what to do after a helpful content system update (perhaps you don't need to do anything, or perhaps self-assess your content):https://t.co/MS7hbcTuQZ
— Google Search Central (@googlesearchc) September 14, 2023
参考:Google Search Status Dashboard(英語ページ)|Google
【2023年9月最新】ヘルプフルコンテンツアップデートの変更点3選
2023年9月14日に実施された最新のヘルプフルコンテンツアップデートの、ポイントとなる3つの変更点は以下の通りです。
それぞれ詳しく解説します。
Googleが初めて「寄生サイト」に言及した
今回のアップデートで大きく変わったポイントの一つは、いわゆる「寄生サイト」についてGoogleが初めて言及した点です。
メインサイトまたはサブドメインで第三者のコンテンツをホストしている場合は、Google が生成するサイト全体のシグナル(コンテンツの有用性など)にそのようなコンテンツが含まれる可能性があることをご理解ください。このため、そのコンテンツがメインサイトの目的から大きく外れている場合や、厳重な管理またはプライマリ サイトの関与なしに制作されている場合は、Google によるインデックス登録をブロックすることをおすすめします。
引用元:Google 検索のヘルプフル コンテンツ システム | Google 検索セントラル
寄生サイトとは、すでにGoogleから高評価を得ているWebサイトのサブディレクトリやサブドメインに、第三者がコンテンツを掲載して運営しているサイトのことです。
これにより、高い検索順位を不正に得ることを目的としています。
ドメインの強いサイト内に間借りして運営している個人のアフィリエイトサイトなどが、その一例です。
寄生サイトの存在は、検索エンジンからの評価を不正に得ているとして近年問題になっていたものの、Googleが対応できていない現状がありました。
今回のヘルプフルコンテンツアップデートでは、寄生サイトに対する改善は実装されていないとGoogleのスタッフはSNSで言及していますが、公式ドキュメントの中ではじめて寄生サイトに関して言及されています。
さらに、ドメインを貸しているサイト側にも悪影響をおよぼす可能性があると記載されている点は注目です。
このようにGoogleの仕組みをハックする手法は、たとえ一時的には効果があったとしても、長期的に高い評価を得られるものではありません。
アルゴリズムのアップデートによって、次第に駆逐されていくのが従来の流れです。
なお、11月3日に展開されたコアアルゴリズムアップデートでは、多くの寄生サイトのアクセスが減少しているような動向が確認されています。
寄生サイトマニアではないですが、私が知っている寄生サイト5つくらい、、、どれも喰らってる。… pic.twitter.com/XLV7RDMVil
— ねぎお社長/SEO/コンテンツマーケ🌸サクラサクマーケティング株式会社 (@negiosakurasaku) November 7, 2023
Between the October core update and now the November core update, I'm seeing a number of parasite SEO sites drops (the directories or subdomains). So maybe Google implemented what Gary Illyes was referring to about their algorithmic solution for addressing that content. Hmm… pic.twitter.com/mp2Zh1nvbm
— Glenn Gabe (@glenngabe) November 4, 2023
AIを意識して、アップデートの目的が一部変更された
最新のヘルプフルコンテンツアップデートでは、AIによるコンテンツ作成を意識したと推測できる変更点にも注目です。
Google検索セントラル内にはヘルプフルコンテンツの仕組みについて説明するページがあり、検索順位には「人間のために作成した独自性のある有用なコンテンツ」であることが重要だと書かれています。
しかし、この説明にはもともと「人によって書かれた(by people)」という記述がありました。
この部分が、今回のアップデートにともなって削除されています。
※この削除は、あくまで「ユーザーに役立つコンテンツを上位表示する」というGoogleの姿勢の表れであり、書き手は問わないことを意味していると考えられます。
人が書いたものであれ、AIが生成したものであれ、独自性があり役立つコンテンツであることが重要なのです。
また、Googleはコンテンツ制作におけるAIの使用は決して否定していないことも見て取れます。
参照:Google 検索のヘルプフル コンテンツ システムとウェブサイト|Google検索セントラル
GoogleのAIに対するポリシーに関しては、下記、動画でねぎおがわかりやすく解説していますので、参考にしてください。
コンテンツを「新鮮」に見せるための更新をNGとした
今回のアップデートでは、検索順位の向上を第一の目的として行なっているとみられるコンテンツの更新方法についても言及がありました。
詳しい内容は、Google検索セントラルの「有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツの作成」のページに記載されています。
Our help page about creating helpful, reliable, people-first content has new points to consider about removing content or changing dateshttps://t.co/jGtxGf1uzA
— Google Search Central (@googlesearchc) September 14, 2023
具体的には、検索エンジン向けにコンテンツを作っていないか確認するための、以下の2項目が追加されています。
(日本語訳)コンテンツを実質的に変更していないにもかかわらず、ページを新鮮に見せるためにページの日付を変更していますか?
Are you adding a lot of new content or removing a lot of older content primarily because you believe it will help your search rankings overall by somehow making your site seem “fresh?” (No, it won’t)
(日本語訳)サイトを「新鮮」に見せれば全体的な検索ランキングが向上すると信じて、大量の新しいコンテンツを追加したり大量の古いコンテンツを削除したりしていますか?(そのようなことをしてもランキングは向上しません)
もし、上記の項目に対する答えが「はい」であれば、コンテンツの作成方法について考え直す必要があります。
ヘルプフルコンテンツアップデートの影響を受ける可能性が高いサイトの特徴と回避策
ヘルプフルコンテンツアップデートの実施によって、以下のような特徴を持つサイトは検索順位の変動などの影響を受ける可能性が高いと考えられます。
ここでは、ヘルプフルコンテンツアップデートの影響を受けやすいサイトの特徴を詳しく解説するとともに、影響を回避するための方法についても紹介します。
専門性の低いコンテンツ
専門性が低く、品質の悪いコンテンツを含むサイトは、真っ先にヘルプフルコンテンツアップデートの影響を受けることが予想されます。
サイトそのものや書き手の専門性が不明なコンテンツは、信頼性に欠けるため高評価は見込めません。
コンテンツの専門性は、Googleの品質評価ガイドラインで説明されている「E-E-A-T」というコンセプトに含まれるものです。
E-E-A-Tとは、以下4つの要素の頭文字を並べたものです。
- E:Experience(経験)
- E:Expertise(専門性)
- A:Authoritativeness(権威性)
- T:Trustworthiness(信頼性)
上記のうち、経験・権威性・信頼性を高めるための施策はある程度の時間を要することも多く、すぐに対応できないケースが少なくありません。
しかし、専門性を高めるための施策は、すぐにでも実践できる取り組みやすいものです。
例えば、サイト内に専門分野の記事を増やす、専門家に寄稿を依頼するなどが考えられます。
専門性を高める取り組みを優先的に行ない、ヘルプフルコンテンツアップデートの影響回避につなげましょう。
参考:品質評価ガイドラインの最新情報: E-A-T に Experience の E を追加|Google検索セントラル
低品質なコンテンツの割合が大きいサイト
低品質なコンテンツが多いサイトはGoogleからの評価が下がる傾向にあり、ヘルプフルコンテンツアップデートの影響も受けやすいと考えられます。
低品質なコンテンツとは、例えば以下のようなものです。
- 内容が薄いコンテンツ:書かれた目的が不明確で、ユーザーに有益な情報が掲載されていない
- 量産型コンテンツ:質よりも量を重視して作成されており、E-E-A-Tが低い
- 粗悪なまとめコンテンツ:他ページからの情報を寄せ集めただけ
- 重複コンテンツ:同一サイト内に内容が酷似するページが多数ある
ヘルプフルコンテンツアップデートの影響を回避するためには、低品質なコンテンツを削除したり、リライトによってコンテンツの質を上げたりする必要があります。
重要なのは、サイト全体に対して有用なコンテンツが占める割合を高めることです。
ユーザーファーストが意識されていないコンテンツ
ユーザーファーストは、Googleが長年掲げてきた基本的な理念です。
SEOを強く意識しただけのページは、年々上位表示されにくくなってきています。
「検索エンジン第一のコンテンツ」や「検索キーワードありきのコンテンツ」は、ユーザーにとって役に立たないとみなされるためです。
今回のヘルプフルコンテンツアップデートによって、このようなコンテンツへの影響はさらに強まると予測されます。
これに対策するには、以下のポイントを踏まえ、ユーザーの役に立つことを最優先としたコンテンツ作成が必要です。
- ペルソナを詳細に設定:たった一人に向けたコンテンツを意識する
- 検索意図を詳細に分析:ユーザーが何を求めているかを考える
ユーザー視点のコンテンツ作成に欠かせないペルソナ設定およびキーワード選定については、以下の記事で詳しく解説しています。
SEOキーワードの選定方法を6ステップで解説!キーワード選定のコツやおすすめツールをご紹介
再検索が頻発する利便性の低いコンテンツ
「再検索」とは、あるサイトを訪れたユーザーが求めていた情報を得られず、再び検索ページに戻って別サイトを閲覧したり、検索キーワードを変えて検索し直したりする行為です。
頻繁に再検索されるようなページが多いと、ユーザーニーズを満たせない利便性の低いサイトだとみなされ、評価が下がることも十分に考えられます。
検索ニーズを満たす情報を過不足なく提供できれば、ユーザーはそのページを読んだ時点で満足し、再検索の行動を起こしません。
検索意図に対する内容を今一度見直し、必要な情報がそろっているか確認しましょう。
不足する情報を追記したり、補足内容を説明する関連記事への内部リンクを設置したりすることでユーザーの再検索の手間を省ければ、Googleからの評価も自然に高まるはずです。
【重要】Googleの原理原則を押さえれば、ヘルプフルコンテンツアップデートに焦る必要はない
日本語に対しては2度目となるヘルプフルコンテンツアップデートが実施されましたが、対処法がわからず戦々恐々としている担当者の方も少なくないでしょう。
企業サイトのなかには、今回のヘルプフルコンテンツアップデートで順位が著しく低下したケースもあるかもしれません。
しかし、最も重要なのはGoogleの原理原則を正しく理解することです。
いつでもユーザー視点に立ったコンテンツ作りを徹底し続けることが、コンテンツの質を高め、サイト全体の高い評価につながります。
今後どのようなアップデートが行なわれようとも、Googleの原理原則を押さえてさえいれば焦る必要はありません。
Googleの基本理念について詳しくは、以下のページで確認可能です。ヘルプフルコンテンツアップデートの影響を受けたかどうかにかかわらず、あらためて読み返し、基本を振り返ってみることをおすすめします。
ヘルプフルコンテンツアップデート対策はサクラサクマーケティングにお任せください!
2023年9月14日、日本語としては2度目のヘルプフルコンテンツアップデートが実装されました。
しかし、Googleの原理原則は一貫しており、ユーザーの視点に立った有益なコンテンツが高く評価されることに変わりはありません。
本記事内で紹介した今回のアップデートによる変更点や回避策を参考に、まずは既存コンテンツを見直してみてください。
特にコンテンツマーケティングを既に導入しており、多数のコンテンツを作成済みのサイトでは改善点が多く見つかるかもしれません。
是非、現状にコンテンツマーケティングの成果に課題がありましたら、サクラサクマーケティングにお気軽にご相談ください。書籍キャンペーンや無料相談も実施中です。
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