被リンクの獲得はSEO対策のなかでも重要度が高く、必要不可欠な要素であるとGoogleも明言しています。
この記事では、リンク施策についてわかりやすく解説します。0から基本を押さえたいSEO初心者だけでなく、一過性のテクニックに頼りすぎて伸び悩む中級者にも役立つ内容となっていますので、ぜひ参考にしてください。
なおこの記事の内容は、以下の動画でも解説しています。
SEO対策におけるリンクの重要性
リンクがSEO対策の重要な要素であることは、Googleが明らかにしています。
Googleが採用している「ページランク」という指標では、「良い論文は多くの論文から引用される」という考えをもとに、被リンクの数や質をサイトの評価に反映しています。
ページランクには0~10の11段階の評価があり、2016年まではTBPR(ツールバーページランク)として、具体的な数値がツールバー上に表示されていました。
しかし、非公開となった現在でも、ページランクは重要な評価指標の一つとしてGoogle内部で機能し続けているといわれています。
つまり現在でも、被リンクがサイトの評価に影響をおよぼす重要な要素である事実は変わらないのです。
ページランクが非公開な現在では、検索エンジンからの評価の目安となる「ドメインパワー」などと呼ばれる指標を強化するSEO施策を行なうのが一般的です。なお「ドメインパワー」とは一般的なSEO用語であり、実際に数値を計測するツールによって呼び方が異なります。
例えば、Moz社のツールで計測する「ドメインオーソリティ」や、Ahrefs社が計測する「ドメインレーティング」などが有名です。ただし、いずれもGoogle外部の企業が独自に計測しているため、公式の評価ではない点は覚えておく必要があります。
いずれにしても、SEO対策のなかでもリンク施策が重要であるのは紛れもない事実なのです。
SEO対策における、リンクスパムとペナルティの歴史
リンクは重要な施策でありながら、一部には「リンク=スパム」というマイナスのイメージを持っている方がいるのも事実です。その背景には、リンクスパムとペナルティを巡る歴史がありました。
2011年頃までは、リンクの「数」がものをいう時代だった
2005年~2011年頃にかけて、SEO対策の王道は「外部施策」でした。当時は「いかにリンクを貼り、作り、集めるか」がすべてであり、リンクの数が多いサイトが高く評価されていたのです。
リンク元サイトの質についてGoogleは警告を出していたものの、実際には低品質なサイトからのリンクでもSEO対策の効果を得られていました。
ペンギンアップデートにより、不正な外部施策が通用しなくなった
2011年頃から、Googleは作為的なリンク操作をペナルティ認定するようになりました。
さらに2012年4月の「ペンギンアップデート」では、意図的に順位を上げるような施策を行っているサイトに対して、アルゴリズムによって自動的にマイナス評価が下されることになります。これを境に、人工リンクやクローキング、不正リダイレクト、隠しテキストなどのテクニックを用いた外部リンクも含めて、恣意的に順位を操作する施策が通用しない時代へと突入したのです。
とはいえ、Googleが対策を取り始めてからも、抜け道を探そうとしてこのようなリンク施策に手を染めるサイトがなかったわけではありません。
リンク施策自体が不正行為だという誤認が広がったのは、この一連の歴史が原因だといえます。
【重要】SEO対策において、すべてのリンク施策がNGというわけではない!
前章で解説したとおり、一部の外部施策に対するペナルティが強化されたため「リンク施策=スパム」という誤ったイメージが定着してしまいました。しかし、リンク施策のすべてがNG行為という意味ではありません。
事実として、2016年にGoogleは検索順位を上げるための最重要な要素として「被リンク」と「コンテンツ」を挙げています。
Googleが明言しているとおり、リンクは現在でもSEOで成果を出すために欠かせない重要な施策です。すべてがスパム行為だと勘違いしたまま対策を行なわなければ、なかなか成果を得られません。
また、最重要であるからこそ、慎重に施策を行なう必要があります。意図せずともガイドラインに抵触すると、サイト全体の評価が下がる致命傷を負うリスクを抱えているため、正しい知識に基づいた適切なリンク施策が必須です。
【SEO対策】リンク施策を成功に導く5つの基本要素
Googleに評価され、検索順位に良い影響を与えるリンクとはどのようなものでしょうか。
ここでは、リンク施策を成功させるために押さえておきたい5つのポイントを解説します。
リンク施策の基本要素(1)量
リンクの量(=数)は、評価につながる重要な要素の一つです。
前述したとおり、Googleは「良い論文は多くの論文から引用される」との考えを持っています。
極端な例を挙げると、被リンクの数が1本のページよりも100本のページのほうが高く評価されるのです。
そのため、多くのサイトがリンクしたくなるようなコンテンツ作りを意識する必要があります。
リンク施策の基本要素(2)質
リンクは量だけでなく、質も重視されています。
これはページランクの低いサイトから大量にリンクを獲得するよりも、ページランクが高い1つのサイトからリンクを得るほうが良い影響が得られる、という考え方に基づくものです。
そのため、数を重視しすぎるあまりに質の低いリンクを集めないよう、自社サイトがどのようなサイトからリンクされているか、定期的なチェックが欠かせません。
リンク施策の基本要素(3)関連性
関連性の高いサイトからリンクを獲得するのも重要です。
自社サイトとはまったく別のジャンルなど、関連性の低いサイトからの被リンクは、効果が薄いとされています。
例えば、自社サイトが転職サービスを扱っているのであれば、関連性の高い人材系のサイトから「良いコンテンツである」と判断され、被リンクを獲得するのが理想的です。
リンク施策の基本要素(4)第三者
第三者からのリンクは、コントロール可能な自社サイトなどからのリンクよりも、高評価につながります。自己評価よりも他者からの評価のほうが、信頼性が高いためです。
例えば、就職活動において「自分は優れた人材である」と自己アピールするよりも、「あの人は優秀だ」と第三者が推薦するほうが効果的なのと同様です。
リンク施策の基本要素(5)多様性
多種多様なリンクを獲得しているサイトは、高い評価が期待できます。リンク元サイトやリンクの種類、リンク元の地域などが偏らないことが本来自然であるためです。
一方で、同一のドメインから大量のリンクを獲得しているのに、ほかのドメインからはまったく獲得できていないサイトは、不自然なケースだと判断される可能性があります。
【SEO対策】リンク施策を行なう前に押さえておきたい考え方
リンクは「コントロールできるリンク」と「コントロールできないリンク」に分けられます。
コントロールできるリンクとは、同一サイト内の異なるコンテンツ間で送る「内部リンク」や、同一企業が運営する別ドメインのサイト間で送る「グループリンク」です。
これらのリンクも、Googleは評価対象としています。ガイドラインを遵守したうえで適切に設置し、リンク施策の最大限の効果を狙うことが重要です。
一方で、コントロールできないリンクとは、他社が運営するサイトからのリンク(=「外部リンク」)です。
内部リンクやグループリンクに比べて被リンク獲得のハードルが高く、その分、SEO効果も高くなります。
それだけに、万が一ガイドライン違反と判定されると、重いペナルティの対象となるため注意が必要です。自作自演などの不正行為は決して行なってはいけません。
自然にリンクが集まるような質の高いコンテンツの制作が、結果として最も安全で効果的な施策なのです。
次の章では、内部リンクの施策について、具体的な手法を取り上げながら解説していきます。
内部リンク施策の4つの基本
前章で解説したように、内部リンク(同一サイト内のリンク)も、Googleからの評価対象となります。もちろん、単にリンクの数を増やせば良いのではなく、適切な設置が重要です。
内部リンク施策の基本(1)強いページからリンクを貼る
リンク元となるページが強いほうが、SEO施策としては有効です。「強いページ」とは、以下のようなページを指します。
- サイトのトップページ
- カテゴリページ
- すでに上位表示されているページ
- 集客に成功しているページ(アクセス数が多いページ)
例えば、新着記事へのリンクをトップページに設置すると、ユーザーの目にとまり流入が期待できるだけでなく、評価も付きやすくなります。
内部リンク施策の基本(2)ページ中身からリンクを貼る
リンク元となるページが同一でも、リンクを貼る位置によって効果は異なります。
全ページ共通の部分(ヘッダー、フッター、サイドバー、グローバルナビなど)よりも、コンテンツごとに独自の内容がある記事本文からリンクを貼ることが大切です。
例えば、記事内の話題をさらに深堀する関連記事への内部リンクは、ユーザビリティを高め、高い評価も期待できます。
内部リンク施策の基本(3)関連性の高いページからリンクを貼る
リンク元のページとリンク先のページには、関連性が必要です。
順位を上げたいからといって、関連性の低いページから闇雲に内部リンクを貼っても効果は期待できません。
リンク元の記事と検索意図が近い、補足の情報を提供できるなど、ユーザーに価値を提供できるページかどうかを考えることが重要です。
すなわち、ユーザビリティの向上が結果としてSEO評価につながります。
内部リンク施策の基本(4)多様性を意識してリンクを貼る
サイト内には、さまざまな種類のリンクが存在するのが自然です。
シンプルなテキストリンクだけでなく、バナーリンクやボタンリンク、ブログカードなど、最適なものを使いわけることで多様性が高まります。同一のページへつながるアンカーテキストも、リンク元ページによって適切なフレーズを採用するなどの工夫が大切です。
外部リンク施策の5つのNG行為
外部サイトからの被リンクは本来自然発生するものであり、サイト運営者によってコントロールできないものです。しかし、なかには、故意に外部リンクを増やすことをSEO施策の一つだと勘違いしているケースも否定できません。
この章で紹介する施策は、いずれもGoogleからスパム認定される不正行為です。悪意の有無に関わらず、大きく評価を下げる要因となるため注意が必要です。
外部リンク施策のNG行為(1)外部リンクを購入する
金銭を支払い、外部リンクを購入するのは不正行為です。
質を問わずリンクの数が成果につながっていた頃の名残なのか、いまだにリンクを販売する業者が存在します。外部リンクを提供するサービスの営業をかけられたとしても、購入してはいけません。
仮に購入したリンクで一時的に順位が上がっても、その後、重大なペナルティを受けるリスクがあります。
外部リンク施策のNG行為(2)外部リンク目的でサイトを構築する
自社サイトへリンクを集めるための、サテライトサイトを構築、量産するのはNG行為です。
サテライトサイトとは、メインの自社サイトとは別のドメインで構築するサイトを意味します。サテライトサイトの存在自体は問題なく、異なる層のユーザーをメインサイトに送客する役割を果たすこともあります。
しかし、メインサイトへのリンクを第一目的としていたり、不自然に量産されたりしたサイトは自作自演を疑われかねません。特にサテライトサイト内のコンテンツの質が低い、更新頻度が極端に低いなどのケースは注意が必要です。
外部リンク施策のNG行為(3)インセンティブを支払って外部リンクを獲得する
インセンティブ(報酬)を提供する代わりに、ユーザーからの被リンクを獲得する行為も禁止されています。ここでの報酬とは、例えば以下のようなものです。
- 追加サービスの提供(飲食店でトッピング無料)
- 割引サービス(定価から2割引)
リンク獲得に対する直接的な金銭のやり取りではないものの、これらの行為を条件にするのは禁止されています。なお、リンクだけでなく、口コミを書いてもらうためにインセンティブを提供する行為も禁止です。
外部リンク施策のNG行為(4)カテゴリ登録で外部リンクを獲得する
手動でカテゴリ分けされるディレクトリ型の検索エンジンに自ら登録し、外部リンクを獲得するのは不正行為とみなされます。近年あまり見かけなくなった手法ですが、NG行為であることに変わりありません。
また、外部のブログサイトのコメント欄に自社サイトのURL付きのコメントを投稿して外部リンクを獲得するのも禁止されています。
外部リンク施策のNG行為(5)相互リンク目的のリンクファームを作成する
相互リンクとは、異なるサイトがお互いにリンクを貼り合っている状態です。
自然発生的なものであれば、相互リンク自体は問題ありません。しかし、不自然にリンク数が多かったり、関連性が低いサイト間で相互リンクが発生していたりすると、作為的なものだと判断されるおそれがあります。
検索順位を上げるために大量の相互リンクを行なうサイト群は「リンクファーム」と呼ばれ、Googleからのペナルティ対象になるものです。
多くのリンクをもらえるコンテンツとは?
本来、被リンクは集めるものではなく、集まるものです。
リスクの高い不正行為に手を出さなくても被リンクが集まるコンテンツとは、どのようなものでしょうか。
正攻法で被リンクを獲得するために重要なのは、ユーザーが自然にリンクを貼りたくなる以下のようなコンテンツの作成です。
- 人に紹介、共有したくなるようなコンテンツ
- あとで読み返したくなるようなコンテンツ
- 参考、参照にしたいコンテンツ
- 役に立つコンテンツ
- おもしろい(興味深い)コンテンツ
小手先のテクニックに頼るよりも、ユーザーの悩みに寄り添い、ユーザーが求める答えを示せれば、自然にリンクは集まります。
良質なコンテンツ作りの継続こそが、SEO対策で成果を上げる近道なのです。
リンクとコンテンツの正しい関係性
リンク施策がSEO対策の中心だった頃は、SEO対策そのものを「リンクSEO」と呼ぶケースもありました。
その後、不正なリンク施策が通用しなくなり、コンテンツの質が重視されるようになった近年は「コンテンツSEO」という言葉が一般的になっています。
しかし、「リンク施策が通用しなくなったから、次はコンテンツ施策だ」という考えは、Googleが最も重視しているユーザー視点を置き去りにするものです。
リンク獲得を目的に良いコンテンツを作るのではなく、良いコンテンツを提供し、ユーザーを満足させることがリンクの獲得につながり、結果として順位を上げることになります。
常にユーザーファーストを意識したコンテンツマーケティングの本質を忘れず、SEO対策を行なうことが大切です。
「コンテンツSEO」という言葉の矛盾、およびコンテンツマーケティングの重要性については、以下の記事で詳しく解説しています。併せて参考にしてください。
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リンクは重要な評価要素の1つであるとGoogleが明言するとおり、被リンク獲得は現在でも重要なSEO施策の一つです。
ただし、順位上昇だけを目的とした作為的なリンクは不正行為とみなされるため、この記事内で解説したようなNG行為は行なわないよう十分な注意が必要です。
結局のところ、ユーザーに役立ち、自然にリンクされるようなコンテンツ制作の継続が被リンク獲得への近道なのです。
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