「ユーザーのためになるページを作る」という本質的なSEO対策と、「こうすれば検索順位が上がることがある」というテクニカルなSEO対策があります。
そのテクニカルなSEO対策のなかで、「記事の中にキーワードをより多く使用するといい」「キーワードの出現率は◯%以上にするべき」と言われることがあります。しかし、それらのテクニックはまったく本質的ではなく、現在の検索エンジンにおいてはその対策によってページを上位表示させることはできません。
そこでこの記事では、SEO対策におけるキーワード数や出現率について、詳しく解説します。
なお、SEO対策の基礎的な考え方については以下の記事で詳しく解説しているので、併せて参考にしてください。
【2024年版】SEOとは?SEO対策の原理原則と最新トレンドを徹底解説
SEO対策において、キーワードの使用回数や出現率は重要ではない
かつては、SEOのためにキーワードの使用回数や出現率を意識して、コンテンツを作成するのがマストとされていました。しかし、現在ではキーワードの数や出現率はSEOで重視されておらず、使い方を誤れば検索エンジンやユーザーから好まれないコンテンツになることもあります。
ここからは、SEO対策におけるキーワードの数や出現率の重要度について解説します。
キーワードの使用回数や出現率がSEOにおよぼす影響は小さい
以前はSEOにおいて、コンテンツ内のキーワードの数や出現率は重要なポイントの一つでした。なぜなら、過去の検索のエンジンは、コンテンツの中身が検索意図に沿ったものかどうかを判断する技術が低く、キーワードの使用回数や出現率がページの評価指標となっていた可能性があるからです。そのため、SEO対策として意図的にコンテンツ内の対策キーワードの数を増やしたり、出現率を高めたりすることが推奨された時期もありました。
しかし、キーワードが何回も使われているだけで、ユーザーにとって役に立つコンテンツになるはずがありません。現在では、検索エンジンの言語処理技術が飛躍的に向上したため、対策キーワードの使用回数や出現率の操作による検索結果の上位表示はほぼできなくなっています。不自然に対策キーワードを詰め込む施策を行なうと「キーワードの乱用」とみなされ、かえって検索順位が下がるので注意しましょう。
参考:Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」
また、キーワードの使用回数や出現率と同様に、文字数も多ければ多いほどいいと語られることもありますが、それも間違いです。あくまで、検索結果で上位を獲得するためには、ユーザーの検索意図に答えるページを作る必要があり、そこに文字数やキーワードの使用回数などは関係がありません。
参考:Google 検索セントラル「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」
とはいえ、検索エンジンの技術が進歩したとはいえ、コンテンツ内に一度も対策キーワードが含まれないのもよくありません。対策キーワードの検索意図を満たしたコンテンツならば、自然と数回はそのキーワードが含まれるはずです。現在においてもやはり、ターゲットとするキーワードはタイトルや本文中に含むのがよいでしょう。
SEOで高い評価を受けるのは、「キーワードの使用回数や出現率」より「内容の充実度」
Googleは、各所で自身の使命や指針について言及しています。
Google の使命は、世界中の情報を整理し、世界中の人がアクセスできて使えるようにすることです。
Google は、当初からユーザーの利便性を第一に考えています。新しいWebブラウザを開発するときも、トップページの外観に手を加えるときも、Google 内部の目標や収益ではなく、ユーザーを最も重視してきました。
検索ユーザーの視点に立ってみると、検索エンジンに求めることはそのとき役に立つページが上位に検索されるかどうかです。上記で示したような考えを持つGoogleが、ユーザーの役に立たないコンテンツを上位表示させようとするはずがありません。
したがって、小手先のテクニックに頼るのではなく、検索ユーザーが求めている内容を先読みして、コンテンツ内容の充実度を高めることに重きをおきましょう。この部分がしっかりできていれば、SEOのノウハウ・テクニックに詳しくなくても、検索上位表示を狙うことは可能です。コンテンツ作成の際に「キーワードの数は何個までならOK?」「割合はどのくらい?」などを考える必要はありません。
SEOでキーワードを入れるべき場所と数
前述のとおり、コンテンツ内のキーワードの数や出現率がSEOにおよぼす影響は小さなものです。しかし、キーワードを含めたほうが良い場所や、1つのコンテンツで対策するキーワードの数など、SEOの効果を高めるキーワードの使用方法は存在します。
ここからは、SEOでキーワードを含めるべき場所やその数について解説します。
SEOでは「1トピック1コンテンツ」が原則
SEOで検索上位を狙うなら、「1トピック1コンテンツ」にするのが基本です。これについては「そのコンテンツで応えるユーザーの課題を1つに絞る」と考えると、わかりやすいでしょう。
例えば「SEO対策 やり方」と「SEOツール 比較」、「SEOライティング」といったキーワードは、それぞれユーザーの課題が異なるものです。これらをすべて1つのコンテンツに含めてしまうと、トピックが判別しづらくなり、読んだ際の利便性を損ねたり、検索エンジンからの評価を受けづらくなったりします。
そのため、一つひとつのコンテンツはトピックを絞ったほうがユーザーにとってわかりやすくなり、Googleにも評価されやすくなります。
ただし、ユーザーの検索意図(インテント)が同じだったり、周辺情報に関するキーワードだったりする場合は、同時に対策することも可能です。例えば「SEO対策 費用」「SEO対策 価格」「SEO対策 相場」といったキーワードでは、ユーザーの課題・検索意図が似通っているため、1つのコンテンツとして作成しても違和感はありません。
このように、同時に対策できるキーワードがある場合は、サブキーワードとして盛り込むとよいでしょう。
ただし、似たようなキーワードであっても検索意図が異なる場合もあるため、注意が必要です。綿密なキーワード調査を行ない、可能な限り多くのサブキーワードをリストアップしておくことをおすすめします。
サブキーワード候補は、関連語や共起語から探すとよいでしょう。サクラサクラボの「共起語調査ツール」を活用すれば、サブキーワードとなりうるワードを無料でチェックできるので、ぜひご活用ください。
サクラサクラボSEOツール 共起語調査ツール
https://www.sakurasaku-marketing.co.jp/labo/tools/cooccur
このように、SEO上位表示を狙うコンテンツでは「1トピック1コンテンツ」が基本です。ただし、サブキーワードを含めた対策キーワード数については、決まりや推奨はありません。
あくまでも、ユーザーが知りたいこと(検索意図)に沿って、ユーザーが使用するキーワードを意識した対策を行ないましょう。
タイトルにはなるべくキーワードを入れる
タイトルには、なるべく対策キーワードを含めて設定しましょう。
前述のとおり、Googleはユーザーの利便性を重視していますが、検索キーワードとコンテンツの関連性を判断するための一助として、タイトルを利用しています。
また、検索ユーザーの視点で考えた場合、タイトルにキーワードが含まれていなければ、自分が求めている情報を掲載されているかが判断しにくくなります。一目見たときに関連性を判断できなければ、クリックしてもらえる可能性が低くなるでしょう。
複数のサブキーワードがあるような場合では、併記するなど複数記載するか、くどくならないように絞るかはケースバイケースです。それでも、メインのキーワードは含めた形で設定するとよいでしょう。
検索結果に表示されるタイトルは30文字程度とされているため、キーワードはできるだけタイトルの前方に含めるようにしてください。それより後方にキーワードを含めると、省略されて見えなくなる可能性が高くなります。そうなると、SEO効果が最大限得られないおそれがあるため、タイトルはできるだけ前方に含めるように意識しましょう。
以下に、タイトルの良い例と悪い例を記載しているので、こちらも参考にしてみてください。
(例)対策キーワードが「SEO キーワード 数」の場合
- 良いタイトル(対策キーワードが前方に設置されている)
SEO対策にキーワード数は重要なのか? - 悪いタイトル(対策キーワードが後方に設置されている)
これだけは必ず押さえておきたい!SEO対策で上位表示を達成するためにコンテンツに含めるべきキーワードの数を解説
h2見出しにも無理なくキーワードを配置できると理想的
タイトルだけでなく、各見出しにもキーワードを配置するのが理想的です。
ただし、これは見出しにキーワードを配置するのが目的ではなく、ユーザーの役に立つコンテンツを作成する過程で、自然と達成されるべきものです。このためには、検索ユーザーが何を求めて検索していて、それに対してどのような構成でコンテンツを作成するかを考えることが重要だといえるでしょう。
コンテンツの企画構成については、以下の記事で説明していますので参照ください。
SEO記事制作の流れを7ステップで紹介!外注費用の相場や会社選びのポイントも解説
https://www.sakurasaku-marketing.co.jp/labo/blogs/seo-article
メタディスクリプションについては、あまり意識しなくて良い
メタディスクリプションとは、ページの概要を示すHTMLタグです。ここに設定した文章は、検索結果のタイトルリンクの下にスニペットとして表示されることがあります。ただし、必ずしも設定した文章がそのまま表示されるわけではありません。Googleが自動作成したテキストが表示されることもあります。
このように、ディスクリプションはタイトルとともに、ページの概要を知る手がかりの一つです。探しているコンテンツとそのページの関連性を効果的に伝えるために、ディスクリプション内にもキーワードを含めるのが良い、という見方もできます。
とはいえ、メタディスクリプション内にキーワードが含まれているかどうかで検索順位は変動しないため、無理にキーワードを配置する必要はないでしょう。それよりも、ユーザーがどのような情報を求めているのか、どのようなことが書かれていればサイトに訪問したくなるのかを意識しながら、作成することをおすすめします。
まとめ
現在のSEOでは、キーワードの数や出現率は重要視されていません。Googleは「ユーザーの検索意図を満たしているか」「ユーザーにとって役立つか」という視点でコンテンツを評価するため、キーワードの数や出現率の操作で検索順位が上がるとは考えにくいでしょう。
「1トピック1コンテンツ」でコンテンツ作成に取り組み、ユーザーの検索意図を満たすことを意識すれば、キーワードの使用回数や出現率を気にする必要はありません。
なお、検索意図の似通ったサブキーワードがあれば同時に対策できるため、事前に調査・リストアップしておくことをおすすめします。1トピックの範囲内であれば、キーワードの数が複数になっても問題ありません。
検索エンジンから評価されるためには、検索エンジンを利用するユーザーが何を求めているかを想像し、それに応えるコンテンツを作成することが何よりも重要です。
そのようなコンテンツを作成していれば、見出しや本文内で対策キーワードやサブキーワード、共起語などが自然と使用され、ユーザーにとって役に立つコンテンツとなります。結果的に、それが検索順位にも反映されると考えられるでしょう。
キーワードの数などが気になる方は、今回紹介したツールをうまくコンテンツ作成に取り入れてみてください。