SERPs(Search Engine Results Pages)は、ユーザーが検索エンジン(Google、Bing、Yahooなど)にクエリを入力して検索を実行した際に表示されるページのことです。
SEO(検索エンジンの最適化)において、SERPsは非常に重要な要素となります。SERPsでのランキングが高いほどWebサイトの可視性が向上し、訪問者数やトラフィックが増加するからです。SERPsについて理解を深めることで、効果的なSEO戦略が構築できます。
本記事では、SERPsの基本から重要性、構成要素などをわかりやすく解説します。
SERPsとは
SERPs(サープス)とは、 「Search Engine Results Pages」の略で、GoogleやYahooなどの検索エンジンで検索した際に表示されるページのことです。
おもに、検索結果のリストと追加情報が含まれており、ユーザーが探している情報に素早くアクセスできるようにするための要素で設計されています。
また、SERPs(検索結果ページ)は、広告枠と自然検索枠の2つに大きく分かれているのが特徴です。検索結果ページの上部に広告枠、その下に自然検索が反映される仕組みとなっています。
SEOの観点から見たSERPsは、Webサイトのパフォーマンスを測定し、改善するための重要な指標です。特定のキーワードに対してSERPsで高順位を獲得すると、Webサイトへのオーガニックトラフィックの増加につながります。
なお、SERPsの表示形式は、Googleのアップデートによって常に変化しているのも特徴です。2014年頃はテキスト中心のSERPsでしたが、現在は画像や関連質問など、ユーザーが情報を入手しやすくするための要素で構成された表示形式となっています。
SERPsの構成要素
SERPsには、オーガニック検索結果・広告・リッチリザルトが含まれています。まずは、それぞれの要素の役割と特徴を理解することが大切です。
オーガニック検索結果
オーガニック検索結果とは、検索エンジンでユーザーがクエリを入力した際に表示される、自然な(非有料の)検索結果のことです。
有料広告とは異なり、オーガニック検索結果は検索エンジンのアルゴリズムによって自動的に順位付けされます。アルゴリズムには、Webページのコンテンツの質・関連性・ユーザーエクスペリエンス・バックリンクの数と質など、多くの要因が含まれている点が特徴です。
検索エンジンのアルゴリズムによってランキングされた結果がオーガニック検索結果となるため、信頼性と関連性が重要視されます。
ユーザーはオーガニック検索結果を信頼する傾向があるため、オーガニック検索結果で上位にランクインすることは、検索エンジンからの訪問者増加につながる重要な要素です。長期的に安定したトラフィックをもたらすため、適切なSEO対策を行なうことが大切なポイントとなります。
広告(PPC)
広告(PPC)とは、広告枠に表示される有料の検索結果のことです。オンライン広告の一種で、ユーザーが広告をクリックするたびに広告主が費用を支払う仕組み(クリック課金モデル)が大きな特徴となります。
広告は、検索エンジンやソーシャルメディアプラットフォーム、その他のWebサイト上で表示されることが一般的です。
また、広告キャンペーンを設定するとすぐに表示されるため、短期間でトラフィックやリードが獲得できます。広告主は予算を設定できるので、広告費用の予算管理が楽になるという点も広告の特徴です。
広告は効果的にトラフィックを増やし、リードを獲得するための強力なツールですが、適切な戦略と予算管理が重要です。
なお、広告の主要プラットフォームとしては、 Google Ads、Bing Ads、Facebook Ads、Linkedln Adsなどがあります。
リッチリザルト
リッチリザルトとは、 Googleの検索エンジン結果ページ(SERPs)で表示される、視覚的に強化された検索結果のことです。
通常の青いリンクとテキストのみの検索結果と比較して、リッチリザルトは追加の情報や視覚要素を含むため、ユーザーにとってより魅力的で情報量が多い表示形式となっています。
※リッチリザルトの例
また、リッチリザルトは、schema.orgなどの構造化データを使用してマークアップされたWebページから生成されるのが特徴です。
視覚的に魅力的で情報量が多いため、リッチリザルトは通常の検索結果よりもクリック率が高くなる傾向がありますが、構造化データや高品質なコンテンツの作成などが必要になります。
SEO対策において非常に重要なリッチリザルトは、Webサイトの可視性とユーザーエンゲージメントの向上につながる要素といえます。
なお表示パターンが多いリッチリザルトについては、こちらの記事も合わせてご確認ください。
リッチリザルトとは?表示例と合わせて構造化データの書き方も解説
【重要】自身のサイトがSERPsでどう表示されているかを確認しよう
SERPsの上位に表示されることは、トラフィックの増加とブランドの認知度向上に直結します。SEO戦略の中心となるSERPsが、自身のサイトにどう表示されているかを確認することが重要です。
クリック率の向上
SERPsの上位に表示されるほど、ユーザーのクリック率が高くなります。ユーザーは通常、1ページ目の上位結果しか確認しないため、上位にランクインすることが非常に重要です。
特に、上位3位以内にランクインすることで、クリック率が大幅に向上します。海外企業が行なった調査によると、1位のWebサイトは全クリックの約30%を占めることがわかりました。
また、クリック率を向上させるには、リッチリザルトの活用、タイトルタグやメタディスクリプションの設定、モバイルフレンドリーの最適化など、多角的なアプローチが必要です。
これらの対策を継続的に実施することで、検索結果ページでの視認性が向上し、クリック率が高まるでしょう。高品質なコンテンツを提供するだけでなく、ページの読み込み速度など、ユーザーにとって快適なWebサイトを心がけることが大切です。
参考:2024年のGoogleランキング順位別クリックスルー率(CTR)
ブランド認知度の向上
SERPsの上位表示は、ブランドの信頼性を高めます。多くのユーザーは検索エンジンが信頼できる情報を提供していると考えているため、「検索結果の上位に表示されるサイト」=「信頼性が高い」と認識されやすくなるからです。
特に、リッチリザルトは視覚的なアピール力が高く、上位に表示されることで多くのユーザーの目に触れる機会が増え、ブランドの認知度が向上しやすくなります。繰り返し目にすることで、ユーザーの記憶に残りやすくなるのです。
これまで目にすることがなかったユーザーでも、SERPsの上位表示によってブランドへの興味と関心を示し、信頼性を向上させていくことはよくあります。高品質なコンテンツを提供しているブランドであれば、上位表示されることでより良い印象を与えることも可能です。
SERPsでの見え方を意識したコンテンツ作り
ユーザーの関心を引き、クリック率を上げるには、SERPsでの見え方を意識したコンテンツ作りが不可欠です。特に押さえておきたいポイントとして、以下の2つがあります。
- SERPsからユーザーが検索をした意図をくみ取る
- 競合サイトのタイトルやディスクリプションを取り入れる
SERPsからユーザーが検索をした意図をくみ取る
ユーザーが何のために検索したのかを推測できれば、そこからどのような情報を求めているのかが理解できるようになります。
SERPsの上位に表示されるWebページは、ユーザーに価値を提供できている高品質なコンテンツと判断されています。高品質なコンテンツのため、検索意図に応える情報をユーザーへ提供していることになります。
逆に、上位表示されないWebページは、ユーザーの検索意図をくみ取っていない内容であるケースが多いので、質の悪いコンテンツを提供しているという扱いになってしまいます。
なお、SERPsからユーザーの検索意図を読み取る方法は、検索クエリや競合サイトの分析、リッチリザルトの観察、検索結果ページの構造理解、ユーザー行動のデータ分析などさまざまです。
多角的なアプローチでユーザーの意図を理解し、それに基づいたコンテンツを提供しましょう。
競合サイトのタイトルやディスクリプションを取り入れる
SERPsで上位表示を狙うためには、すでに上位表示に成功している競合サイトを参考にするのが効果的です。
競合サイトのタイトルやディスクリプションに、どのようなキーワードが含まれているのか、文字数はどの程度なのか、具体的に確認してみましょう。
Googleで関連するキーワードを検索し、競合サイトのタイトルとディスクリプションを直接確認するのが一般的です。その他、SEM rushやAhrefsなどSEOツールを使用したり、MozBarといったブラウザ拡張機能を活用したりする方法もあるので、利用してみてください。
競合サイトのタイトルやディスクリプションの調査は、SEO戦略の参考になります。さまざまな方法で競合の戦略を詳細に分析し、自サイトのタイトルとメタディスクリプションの改善に役立てましょう。
SERPsに影響を与えるアルゴリズム
特定の問題を効率的に解決するための手順やルールを示す「アルゴリズム」は、検索クエリに対する結果の評価やランク付けなど、表示形式を決定するために使用されます。
検索エンジンは定期的にアルゴリズムをアップデートすることで、検索結果の質を向上させており、Googleのアルゴリズムも同様です。
Googleのアルゴリズムアップデート定期的に行われています。たとえば古いものでは、特別な名前が付いているPanda(パンダ)・Penguin(ペンギン)・Fred Update(フレッドアップデート)などがあります。
<Panda>
影響:コンテンツファームやキーワードを乱用した低品質なWebサイトがランキングから排除された
対策:質の低いページを削除する、コンテンツの内容を充実させる
<Penguin>
影響:不正なリンクビルディングを行なっていたWebサイトのランキングが低下し、自然で質の高いリンクを持つWebサイトが優遇された
対策:ユーザーの検索意図をくみ取ったコンテンツを作成する、サイトテーマの関連キーワードを選定する
<Fred Update>
影響:広告の過度な貼り付けや、コンテンツの質が薄いWebサイトが排除された
対策:大量の広告を削除し、コンテンツの質を重視する
こうした名前のついているアップデート以外にも、Googleは定期的にアップデートを行っており、本稿を執筆している現在も、新しいアップデートが走っている最中です。(2024年9月)
ランクブレインとAIの影響
アップデートではありませんが、GoogleのAI技術であるランクブレインについても触れておきます。
ランクブレインは検索アルゴリズムの一部です。機械学習と人工知能を活用して検索クエリをより良く理解し、ユーザーに関連性の高い検索結果を提供するためのものです。2015年に導入され、複雑で新しい検索クエリに対して有効に機能するのが特徴です。ユーザーが入力したキーワードの意味や意図をより正確に解釈するための技術といえます。
ランクブレインを直接的に理解したり、解析して活用したりするのは難しいです。しかし検索意図を把握するという意味では、こうした技術も使われているのだということは理解しておいてください。
SERPsの分析と改善方法
SERPsのパフォーマンスを分析し、改善するにはどうすれば良いのでしょうか。ツールの活用とデータの解釈方法を解説します。
Google Analyticsの活用
Google Analyticsを使用することで、SERPsのパフォーマンスデータが分析できます。Google Analyticsとは、Webサイトを網羅的に分析できるアクセス解析ツールです。
どのようなユーザーがアクセスしているのか、どのページがよく見られているか、どこから流入しているのかなどを、具体的に分析できるというメリットがあります。
SERPsのパフォーマンスデータを分析する際は、トラフィックとエンゲージメントの改善策を見つけることが大切です。
※Google Analyticsのトラフィックの画面例
例えば、オーガニック検索トラフィックの全体的な傾向をチェックしたり、ユーザーがWebサイト内でどのように移動しているのか行動フローを把握したりするなど、Google Analyticsの活用方法はたくさんあります。
Google Analyticsを用いたSERPsの分析と改善方法では、データに基づいてコンテンツの質を向上させ、ユーザーエクスペリエンスを最適化することがポイントです。
Search Consoleの利用
Search Consoleを用いて、インデックス状況とパフォーマンスをチェックします。
Search Consoleとは、Webサイトの所有者や管理者がサイトのパフォーマンスや可視性を把握し、最適化するために用いられるGoogleの無料ウェブサービスです。
Webサイトの検索エンジン結果ページ(SERPs)でのパフォーマンスを監視し、改善するための貴重な情報とツールを提供します。
※例:Seach Console のWebに関する指標の画面
Search Consoleを利用してSERPsを分析・改善する際は、エラーの修正と最適化ポイントを見つけることが重要です。
特に、インデックスエラーやモバイルユーザビリティの問題を早期に発見し、迅速に修正することで、ユーザーエクスペリエンスとSEOパフォーマンスが改善できます。
まとめ
SERPs(検索エンジン結果ページ)は、ユーザーが検索エンジンでクエリを入力した際に表示されるページで、SEOにおいて非常に重要な部分です。上位表示されることで、Webサイトの可視性やトラフィックが増加します。
また、オーガニック検索結果、広告(PPC)、リッチリザルトから構成され、各要素がユーザーの検索意図に応じて表示されるのが特徴。Googleのアルゴリズムアップデートは、SERPsに大きな影響を与えます。
Google Search Consoleなどのツールを活用してインデックス状況やエラーを把握し改善することが、SERPsでのパフォーマンス向上につながる重要なポイントです。