Webマーケティングで使用される用語の中には、一般的にはあまりなじみのない用語も少なくありません。
SEO業者やホームページ制作会社と打ち合わせをしている際、あるいは情報収集のためにWebマーケティング関連のWebサイトをチェックした際に用語の意味が分からなくて困ってしまった経験があるという方も少なくないのではないでしょうか?
今回の記事では、Webマーケティングで用いられる広告指標や数値目標についての用語解説を行っていきます。
Webマーケティングで用いられる広告・数値指標
Webマーケティングにおいて主に用いられる用語や指標を解説します。
用語の意味を確認するのはもちろんですが、自社での指標の活用状況と照らし合わせながら読み進めていただくと、具体的に広告指標をイメージしやすいのではないかと思います。
Click(クリック)
Click(クリック)は、マウスのボタンを押すことを意味します。
Webマーケティングでは、検索結果画面やウェブ広告画面にて自社のWebサイトをクリックしてもらうことによってアクセスを増やすことを考える必要があります。また、「資料請求」や「購入」ボタンをクリックしてもらい、売り上げを増やしていかなければなりません。
Impression(インプレッション)
「インプレッション」とは、広告表示回数のことです。
Webサイトの広告が1回表示されると「1インプレッション」となります。
CPA(Cost Per Action)
例えば、10万円のWeb広告を出稿して、Web広告経由での申し込みが10件あった場合、CPAは1万円ということになります。
この時、客単価が1万円を下回っていると、こうこくとしては「赤字」ということになります。(ただし、Webサイトで無料セミナーの集客を図り、見込み顧客を創出するなどの「成果」の考え方はさまざまなので必ずしもWeb広告として赤字であることが良くないというわけではありません。)
広告の成果を測る方法としては他にROASもありますが、CPAは以下のケースでの測定に適しています。
CPAが適しているサイト
・Web上で売り上げまで完結しないサイト
・単一の商品を扱うサイトや複数の商品が同じ価格帯のサイト
CPAが適していないサイト
・商品の価格帯がさまざまなサイト
CPC(Cost Per Click)
CPCとは、リスティング広告などのクリック課金型広告の効果測定の際に使用する広告指標で、1クリックあたりの広告費用(=クリック単価)のことです。
クリック課金型広告は、広告が表示(インプレッション)されても料金が発生せず、ユーザーからクリックされて初めて費用が発生します。またクリック単価は、キーワードや時期によって変動します。
以上の計算式になります。
注意点としては、CPCは必ずしも安い方が良いとは言えない点です。というのも、CPCが安い場合に成果につながらない無駄クリックが増えている可能性があるためです(売り上げにつながる見込みが極端に低いキーワードは他社も狙っておらず、安い単価で入札できることが多いため)
CPM(Cost Per Mille)
CPMもCPCと同じく、クリック課金型広告の効果測定に用いられる広告指標で、インプレッション1,000回あたりの広告費用を表します(=インプレッション単価)。
計算式は以下の通りです。
CTR(Click Through Rate)
CTRもWeb広告の効果測定に用いられる用語で、インターネット広告が表示された際のクリック率のことです。
以上の計算式で表されます。
CV(コンバージョン)
CV(コンバージョン)とは、成果(Webサイトにおける最終目標の達成)数のことを指します。ここでの「成果」は必ずしも「売り上げ」を意味するわけではなく、Webサイトによっては資料請求や無料説明会への参加申し込みをCVとして設定するケースもあります。
あるいは、「お試しセット購入」・「非会員購入」・「会員購入(定期購入)」など1つのサイトで複数のCVを設定することもあります。
CVR(Conversion Rate)
CVRはホームページへのアクセス数に対してCVに至った人の割合のことです。
基本的には以上の指揮で計算されますが、訪問者数ではなくクリック数=セッション数で計算されるケースや特定のページのみのCVRを測るケースなど、目的に応じてさまざまな計算方法がされることがあります。
また、広告ごとの費用対効果を測るために、出稿する広告ごとにCVRが計算されることもあります。
ROAS(Return On Advertising Spend)
ROASは広告に投じた費用と得られた金額とを計算する広告指標です。
以上の計算式にて計算されます。ROASを計算することにより、効果の薄い広告の出稿を取りやめたり、あるいは効果的な広告に対して予算を集中したりするなどの調整ができます。
広告費用の効果測定に使用する指標としては、ROASの他にCPAもありますが、それぞれに適した指標を用いることで指標の精度を高めることができます。
ROASが適しているWebサイト
・Web上で販売が完結し、多種多様な価格帯の商品を扱っているサイト
ROASが適さないWebサイト
・来店や電話での購入申し込みを前提としていたり、無料会員の募集をしていたりするなどWeb上で売り上げ売り上げまで完結しないサイト
ROI(Return On Investment)
ROIは投資した広告に対してどの程度の利益があったのかを計算する広告指標です。ROASがコストも含めた売り上げから算出するのに対して、ROIでは純利益から計算するという特徴があります。
フリークエンシー
フリークエンシーは、「頻度」「接触」を表す用語で、ユーザーが広告と接触をする回数のことを指します。広告がクリックされるところまでは要件としておらず、広告が表示された段階で「接触」とみなされます。
どの程度の接触回数がベストなのかはケースバイケースなので一概に言えないので、マーケティング担当者は広告の効果を測定しながらフリークエンシーを調整する必要が生じる場合もあります。
まとめ
今回紹介したように、Webマーケティングにはさまざまな用語が用いられています。一見、非常に似た用語も多く、それぞれの用語が関連しあっているケースもあるので、混同しないように用語を把握しておくことが重要です。
また、Webマーケティングの指標を実際に活用してWebサイトや広告の効果を高めていくためには、Googleアナリティクスをはじめとしたアクセス解析サイトやWeb広告の管理者画面をうまく活用することも重要です。
CVの設定やチェック、インプレッションやクリック率のチェックなどを正確に実施して初めて効果測定が有効に働くようになります。さらには、Webサイトの公開目的や売り上げ目標、広告単価の設定など、あらゆる面で方向性の確定や運用の最適化を行っていく必要があります。