今やリモートミーティングやオンラインセミナーの定番ツールとなったZoomですが、自宅などからZoomミーティングに参加する際に、「この場所だとビデオ映像の背景にプライベート感が出てしまうかも……」と気になる方もいるのではないでしょうか。
Zoomにはバーチャル背景という機能があります。
バーチャル背景を利用すると、ビデオ映像の背景を任意の画像に差し替えられます。
この記事では、スマホでバーチャル背景を設定する方法と、設定トラブルの対処法をご説明します。
Zoomのバーチャル背景機能とは?
Zoomの「バーチャル背景」は、自分が映っているビデオ映像の背景に、任意の画像や動画を表示できる機能です。(動画を表示できるのはパソコンのみ)
Zoomがビデオ映像のなかの人物部分と背景部分を自動で識別してくれます。
Zoomミーティング中に自分のビデオ映像にバーチャル背景を表示する代表的なメリットとしては、次の2つが挙げられます。
•自宅からのミーティング参加時に、プライベート空間を見られないため、プライバシー保護になる
•オリジナル画像をバーチャル背景に設定すると、上半身のビデオ映像と音声だけでコミュニケーションを図るZoomミーティングにおいて、会話のきっかけになったり個性をアピールできたりするツールとなる
なお、Zoomには無料プランと有料プランの大きく2種類のライセンス体系がありますが、どちらのプランでもバーチャル背景を利用できます。
バーチャル背景のバリエーション
Zoomにはデフォルトで数種類のバーチャル背景が用意されています。
大きく分けると、「ぼかし」と「画像」です。
「ぼかし」を選択した場合は、実際の背景をZoomが自動的にぼかしてくれます。
用意されている画像のほかに、自分で作成した任意の画像をバーチャル背景に設定することも可能です。
任意の画像といっても、ビジネスシーンなどではプライベートで撮った写真などは使いにくいこともあるでしょう。
そういった場合は、Canva、写真AC、Unsplashなどの画像サイトを活用することをおすすめします。
(画像サイトの素材を利用する場合は、著作権などの規約に注意しましょう)
バーチャル背景を設定できるスマホは?
従来はiOSのみ対応していたバーチャル背景機能が、2020年9月からAndroidでも利用できるようになりました。
とはいえ、すべてのスマホのZoomアプリでバーチャル背景を利用できるわけではありません。
Zoomアプリのバージョンだけでなく、スマホの機種によってもバーチャル背景の利用可否が異なります。
2021年8月現在、スマホのバーチャル背景の端末要件は次のとおりです。
iOS | ・ぼかし背景を利用するには、Zoomアプリv5.6.6(423)以降 ・iPhone8以降のモデル ・第5世代以降の9.7インチ型iPad ・第7世代以降の10.2インチ型iPad ・iPad Pro |
Android | ・ぼかし背景を利用するには、Zoomアプリ5.6.6(2076)以降 ・Android 8.0 以降 ・次のメーカーの製品であること(Google、OnePlus、Oppo、Redmi、Samsung、Vivo、Xiaomi、Huawei) ・その他のプロセッサ、RAM、GPUなどの要件はZoomヘルプセンター「バーチャル背景のシステム要件」参照 |
また、バーチャル背景を利用するには、アプリ上でZoomにサインインする必要があります。
スマホでのバーチャル背景の設定方法
パソコン版Zoomクライアントでは、バーチャル背景は「事前」と「Zoomミーティング中」の2つのタイミングで設定できます。
しかし、スマホ版Zoomアプリでは、バーチャル背景を設定・変更できるのは「ミーティング中」だけです。
バーチャル背景を設定・変更する
以下、iOS端末(iPhoneやiPad)での手順を説明します。
Android端末での操作手順もおおむね同じですが、詳しくはZoomヘルプセンター「バーチャル背景の概要」をご覧ください。
Zoomアプリを起動してサインインしてから、Zoomミーティングに参加します。
(ひとまず設定したい場合は、[新規ミーティング]を開催してもかまいません)
Zoom画面上の[詳細]>[背景とフィルター]をタップします。
バーチャル背景を選択します。
画像をタップすると、プレビュー画面で映り具合を確認できます。
(プレビューすると同時に、ほかの参加者のZoom画面(ビデオパネル)にもバーチャル背景が反映される点に注意してください)
[+]をタップすると、端末のカメラアプリの画像一覧から任意の画像をバーチャル背景に追加できます。
バーチャル背景をオフにする
バーチャル背景を外したいときは、Zoom画面上の[詳細]>[背景とフィルター]で、「なし」をタップします。
同じバーチャル背景を次回以降のミーティングでも使用する
一度設定したバーチャル背景を次回以降のミーティングでも引き続き使用したい場合は、ミーティング終了後にその旨を設定できます。
Zoomアプリのホーム >[設定]>[ミーティング]>[次のためにバーチャル背景を保存]で、「すべてのミーティング」を選択します。
こんなときはどうすればいい?困ったときの対処法
スマホ版Zoomアプリでのバーチャル背景に関して、よくあるトラブルと対処法をご説明します。
ミーティング参加時点からバーチャル背景を設定したい
前述のとおり、スマホ版Zoomアプリでは、ミーティング中しかバーチャル背景を設定・変更できません。
自宅から仕事のZoomミーティングに参加するケースなど、一時的にでもリアルな背景をミーティング参加者に見られたくない場合は、次のどちらかの方法を採るとよいでしょう。
•事前に自分一人の[新規ミーティング]でバーチャル背景を設定し、[設定]>[ミーティング]>[次のためにバーチャル背景を保存]で、「すべてのミーティング」を選択しておく(詳しい手順は上述)
•Zoomミーティング参加時点ではカメラオフにしておき、バーチャル背景の設定後にカメラをオンにする
ミーティング参加時のカメラオフは、Zoomアプリのホーム >[設定]>[ミーティング]>[マイビデオをオフにする]で設定できます。
バーチャル背景を使用できない
Zoomミーティング中に[詳細]>[背景とフィルター]が表示されない場合の代表的な原因としては、次の3つがあります。
•端末が古い :
端末のスペックがバーチャル背景のシステム要件(Zoomヘルプセンター)を満たしているか確認してください。
•Zoomアプリのバージョンが古い :
Zoomアプリのバージョンがバーチャル背景のシステム要件(Zoomヘルプセンター)を満たしているか確認してください。
インストールしているZoomアプリのバージョンは、Zoomアプリのホーム >[設定]>[詳細情報]>[バージョン]で確認できます。
•Zoomアプリにサインインしていない :
Zoomアプリでバーチャル背景を使用するには、Zoomへのサインインが必要です。
[背景とフィルター]を設定できても、バーチャル背景の映りかたに問題がある場合は、Zoomがビデオ映像の人物と背景の識別ができていない可能性が高いです。
識別できない原因としては、照明や背景色などが考えられます。
次の方法で対処してみましょう。
•照明のあたり具合を調節する
•実際のビデオ映像の背景と同じ色の服を着用しない
バーチャル背景が左右反転してしまう
Zoomアプリのホーム >[設定]>[ミーティング]>[マイビデオをミラーリング]がオンになっている場合、バーチャル背景にテキストを入れていると、ミラーリング(左右が反転)して自分のZoom画面上に表示されます。
Zoomの仕様で、ミラーリング表示されるのは自分のZoom画面上だけで、ほかの参加者のZoom画面ではミラーリングなし(左右反転しない状態)でバーチャル背景が表示されます。
したがって、ほかの参加者に対して「左右反転で読みづらい」といった影響はありません。ご安心ください。
(参考)
Zoomで自分のカメラ映像が反転・回転してしまうときの解消方法
まとめ
リモートワークが盛んになった今、自宅からZoomミーティングに参加しながらも、参加者に家の中の様子を見られるのには抵抗があることでしょう。
そういった際に、Zoomのバーチャル背景機能は非常に役立ちます。
一定スペック以上の端末でないとバーチャル背景機能がサポートされていない制約はありますが、サポート対象の端末をお使いの方はぜひ活用することをおすすめします。